帝国データバンクが発表した「消費税率引上げに対する企業の意識調査」結果(有効回答数9938社)によると、消費税率引上げに対する企業の見解は、「予定どおり実施すべき」が43.3%となった。しかし、「現行の8%を維持すべき」(24.5%)、「時期を延期して実施すべき」(12.0%)、「消費税率を引き下げるべき」(6.6%)との引上げに否定的な企業の割合が計43.1%となり、予定どおり実施すべきと考える企業と二分する結果となった。
消費税率10%への引上げによる自社の企業活動への影響は、「(業績に)マイナスの影響がある」と回答した企業が34.2%で、「(業績以外で)マイナスの影響がある」(20.9%)と合わせて、企業の半数超となる55.1%が消費税率引上げにより企業活動にマイナスの影響があると見込んでいることが明らかとなった。また、企業活動に「影響はない」(27.6%)は4社に1社だった一方、プラスの影響を見込む企業は計2.1%にとどまった。
企業活動にマイナスの影響があると見込む企業について業界別にみると、「小売」は81.2%(業績62.8%、業績以外18.4%)にのぼり、8割を超える企業で消費税率引上げによる影響を懸念していることが浮き彫りとなった。以下、「農・林・水産」(66.7%、同39.2%、同27.5%)が6割台となり、以下、「卸売」(57.3%、同36.4%、同20.9%)、「不動産」(57.2%、同38.8%、同18.4%)、「建設」(55.5%、同34.8%、同20.7%)が続いた。
軽減税率制度導入に対する対応状況(複数回答)では、実施時期や対象品目、帳簿・請求書などの記載事項、納税事務、軽減税率対策補助金などの「軽減税率制度の内容の確認」が41.8%でトップとなった。次いで、「影響が生じる事務の確認」(36.7%)、「会計システム等の導入・改修・入れ替え」(23.5%)、「帳簿や請求書等の記載方式変更」(18.0%)、「税率区分に応じた経理処理の見直し」(17.2%)が続いた。
軽減税率制度の導入に関する企業の対応は、大企業が先行する形で進められているものの、制度の内容や影響範囲の確認が主な項目となっている。なお、政府に優先的に取り組んでほしい政策(複数回答)については、「景気対策」が67.8%となり、突出してトップ、次いで、「少子化対策」(37.3%)、「中小企業支援の充実・拡大」(33.2%)、「財政再建」(33.1%)、「税制改革」(32.7%)が3割台で続いている。
同調査結果は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p181104.pdf