帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は747件で、前月比では27.0%増加したものの、前年同月比では3.6%減少し、2ヵ月連続で前年同月を下回った。業種別では7業種中、建設業や不動産業などの4業種で、地域別では9地域中、北海道や関東、近畿の3地域で、それぞれ前年同月に比べ減少した。
一方、負債総額は1128億5600万円(前月1867億6200万円、前年同月1019億2000万円)となり、前月比は39.6%減となったものの、前年同月比では10.7%増となり、3ヵ月連続で前年同月を上回った。これは、負債100億円以上の倒産(1件)が3ヵ月連続で発生したことなどによるもの。負債トップは、(株)エム・テック(東京都、民事再生法→廃止)の253億4933万円。
業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(125件、前年同月比16.1%減)、不動産業(16件、同51.5%減)の2業種は前年同月比二ケタ減となった。一方、運輸・通信業(28件、同47.4%増)など3業種は前年同月を上回った。建設業は、総合工事(55件、前年同月比7.8%増)は7ヵ月ぶりに増加も、職別工事(43件、同28.3%減)、設備工事(27件、同28.9%減)が前年同月比二ケタ減となった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は452件で、構成比は60.5%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が489件で構成比は65.5%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(131件)が構成比29.0%(前年同月比1.1ポイント増)を占め最多。小売業(120件)が同26.5%(同2.4ポイント増)で続く。
地域別にみると、9地域中3地域で前年同月を下回った。なかでも、北海道(12件、前年同月比40.0%減)、関東(256件、同10.5%減)の2地域は前年同月比二ケタ減。また、近畿(197件、同2.0%減)は6ヵ月連続の減少となった。関東は、五輪関連をはじめとする再開発工事などを背景に、東京都の建設業(8件、同55.6%減)が2016年6月、2018年3月と並び、2000年以降で最少となった。
同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1810.html