ディスコのキャリタスリサーチが来年3月卒業予定の大学4年生を対象に実施した「10月1日時点の就職活動調査」結果(有効回答数1159人)によると、10月1日現在の回答者の内定率は90.5%なった。先月調査(9月1日時点)の89.2%から1.3ポイント伸び9割を超えたが、前年同期(92.7%)には届かなかった。今期を振り返ると、序盤は前年同期を上回る内定率をマークしていたが、7月以降は前年を割り込む状態が続いた。
今期は内定出しのタイミングの早期化の一方で、後半になるにつれ、就職以外の進路を模索する未内定学生の存在もあり、内定獲得のペースは鈍くなった。内定取得学生のうち就職先を決めて就職活動を終了したのは94.9%。回答者全体を分母にとると、調査時点で就職先を決定して就職活動を終了した者の割合は85.9%。複数内定を保留しているなど未決定である者(1.6%)を合わせると活動終了者は87.5%となる。
10月1日時点で就職先が決まっていない学生(12.4%)の今後の予定は、「就職先が決まるまで就職活動を続ける」という回答が54.2%で最も多いが、前年に比べ8.7ポイント減少した。「大学院に進学する」が大きくポイントを伸ばしており(15.2%→27.1%)、無理に就職するよりも、より専門的な学問の修得に目が向く傾向が強まっているようだ。とりわけ理系学生(男子50.0%、女子58.8%)において顕著となっている。
従業員300人未満の中小企業への応募状況は、「中小企業にエントリーした」(66.1%)、「中小企業の面接試験を受けた」(59.8%)ともに、前年調査より減少。中小企業へのエントリー社数の平均は10.2社で、前年調査より1.8社減少。前々年からは約5社減少した。面接受験社数は平均2.7社。エントリー社数の減少に伴い、面接社数も徐々に減少。中小企業にとって、まずは学生に知ってもらい、エントリーしてもらうことが重要と言える。
中小企業を受けた理由は、「会社の雰囲気がよい」(44.3%)、「やりたい仕事に就ける」(42.1%)、「内定を取りやすそう」(32.3%)と続いた。一方、中小企業を受けていない学生のその理由は、「給与・待遇が良くない」(42.2%)、「安定性に欠ける」(37.1%)、「知名度が低い」(36.9%)、「福利厚生が不十分」(32.1%)までが3割を超えており、条件面での懸念が中心であることがうかがえる。
同調査結果は↓
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