来年4月から全国4例目の金沢市の宿泊税がスタート

 今月10月1日から京都市の宿泊税が開始したが、来年2019年4月1日からは金沢市の宿泊税がスタートする。宿泊税は、東京都、大阪府、京都市に続いて全国で4例目、市町村としては2番目となる。金沢市の宿泊税は、ホテルや旅館、簡易宿所等のほか、京都市と同様、住宅宿泊事業の届出をして住宅宿泊事業を行う、いわゆる民泊等への宿泊者も含めた市内全ての宿泊施設の利用者に課す。

 同税の実施を来年4月に控えている金沢市では、今月から対象となる宿泊事業者等に対して制度の説明会を開催するなど、導入に向けた準備を進めている。金沢市の宿泊税は、市民生活と調和した持続可能な観光振興を図るため、金沢の歴史、伝統、文化など同市固有の魅力を磨き高めるとともに、市民生活への影響を緩和し、住む人、訪れる人の双方にとって魅力的なまちづくりにつながる仕組みの財源確保を目的とする。

 宿泊税導入の経緯は、2016年12月に市議会の定例議会において市長が創設に向けて検討する旨を答弁。その後、宿泊事業団体からの要望や宿泊施設向けの説明会、宿泊税に関する検討についてのパブリックコメントの実施後、今年3月の定例議会において「金沢市宿泊税条例案」が提出され可決。そして、同月に市長が総務大臣あてに協議書を提出し、6月26日に総務大臣から同意を得ていた。

 宿泊税の課税方法等は、市内のホテル、旅館、簡易宿所又は住宅宿泊事業を行う住宅での宿泊を対象に、1人1泊について宿泊料金(素泊まり)が2万円未満の場合は「200円」、2万円以上の場合は「500円」を、宿泊事業者(特別徴収義務者)が宿泊者から徴収して納入する。ちなみに、京都市は、宿泊者1泊につき、宿泊料金が2万円未満の場合は200円、2万円以上5万円未満の場合は500円、5万円以上の場合は1000円の3段階。

 税収見込額は、初年度6億6000万円(平年度7億2000万円)。税収は、歴史的なまちなみや景観の保全、伝統文化・伝統芸能の支援(茶屋・芸妓)、食文化の継承・振興など「まちの個性に磨きをかける歴史・伝統・文化の振興」や、インバウンド対策の強化、宿泊施設のおもてなし力を高める改修への支援など「観光客の受入れ環境の充実」のほか、「市民生活と調和した持続可能な観光の振興」に要する費用に充てられる。