入社半年・2年目の若手社員の転職の分かれ道は

 日本能率協会が入社半年・2年目を迎えた若手社員400人を対象に実施した「職場や仕事内容・現状への満足度に関する意識調査」結果によると、まず、若手社員全体に、現在の職場内に目指したい上司、目標にしたい人がいるかを尋ねたところ、「いる」が43.0%、「いない」が半数超の57.0%だった。さらに、職場に目指したい上司、目標にしたい人がいると回答した群と、いないと回答した群に分け、現在の転職意向を比べた。

 その結果、目標にしたい人が「いる群」では「転職することは考えていない」と回答した人が57.6%であるのに対し、「いない群」では38.6%と、19ポイントの差が生まれる結果となった。「いない群」では、転職活動をしている・検討している人が6割を超えている。メンターやロールモデルなどの目指したい上司、目標にしたい人がいるかいないかが、若手社員の転職意向に大きく影響することがうかがえる。

 現在の職場を辞めず、在籍している理由は、第1位が同率(18.8%)で「プライベートを充実させられる環境のため」と「人間関係が良好で伸び伸びと働けているため」。同協会が今年4月にまとめた「2018年度新入社員意識調査」で、新入社員がプライベートを優先したい傾向がみられたことや、上司・先輩には「傾聴」、「丁寧な指導」、「意見・要望に動いてくれる」など丁寧な対応を望む傾向も強かったことが、今回の調査にも表れているようだ。

 現在の仕事内容や会社組織に対する満足度については、仕事内容に対し「とても満足~やや満足」と回答した人が61.5%、会社組織に対して「とても満足~やや満足」と回答した人が52.0%と、どちらも半数を超える結果となった。一方で、仕事内容・会社組織に対して「とても不満~やや不満」と回答した人が2割超(仕事内容20.6%、会社組織26.6%)と、現状の環境に不満を抱える人が一定数いることも分かった。

 なお、同協会が今年4月にまとめた「2018年度新入社員意識調査」における「新社会人としてスタートする気持ちを漢字一文字に表すと何か」との回答は、「新」、「挑」、「努」がトップ3だったが、入社から半年・2年目を迎えると、1位「楽」(32人)、2位「苦」(27人)、同率3位「安」、「疲」(14人)と、ポジティブな気持ちとネガティブな気持ちを表す漢字が表現されている。

 同調査結果は↓
https://jma-news.com/wp-content/uploads/2018/10/4850a09af61ffd4672a2dafa583b940f.pdf