労務行政研究所が、東証一部上場企業213社を対象に、「夏冬型」の年間協定ですでに決定している、2018年年末賞与・一時金の妥結水準を調査した結果、平均妥結水準は、全産業ベースで75万3389円と3年ぶりに増加し、同一企業でみた昨年末の妥結実績(72万4992円)に比べ、金額で2万8397円、対前年同期比で3.9%増とプラスに転じ、2008年のリーマン・ショック以前の妥結水準(75万3180円)を超えたことが分かった。
平均支給月数は、203社の平均で2.44ヵ月。同一企業でみた場合、前年同期(2.36ヵ月)を0.08ヵ月上回った。最低月数は前年同期と同じ1.00ヵ月だが、最高月数は3.62ヵ月で、前年同期(3.38ヵ月)を0.24ヵ月上回っている。また、製造業、非製造業別にみると、製造業(167社)は、平均妥結額が78万3152円で対前年同期比4.2%増、非製造業(46社)も同64万5337円で同2.7%増と、ともに増加した。
業種別に対前年同期比上昇率をみると、製造業は「紙・パルプ」を除く11業種で増加、非製造業は6業種全てで増加した。平均妥結額を業種別にみると、「倉庫・運輸関連」(2社)が89万8500円(対前年同期比5.6%増)で最も高く、次いで「化学」(24社)が87万8701円(同4.9%増)、「輸送用機械」(28社)が84万7586円(同1.9%増)、「ガラス・土石」(9社)が81万5185円(同7.5%増)で続く。
対して、最低は「商業」(21社)の50万2267円(同1.1%増)、「紙・パルプ」(8社)が59万3058円(同▲3.3%)、「繊維」(4社)が63万925円(同2.6%増)。また、対前年同期比上昇率が最も高いのは「鉄鋼」(14社)の12.6%増(妥結額76万3571円)、「ガラス・土石」の7.5%増、「建設」(6社)の7.5%増(同75万3066円)と続く。対して、伸び率がマイナスだったのは、「紙・パルプ」の▲3.3%のみだった。
年末一時金妥結額の推移をみると、リーマン・ショック後の2009年は65万9864円(対前年同期上昇率▲13.1%減)と大きく下落したが、以後、10年から11年は2年連続で上昇。しかし、11年の東日本大震災の影響等もあり、12年、13年と2年連続で下落、14年・15年は2年連続で上昇、16年、17年と2年連続で下落後、18年は75万3389円(同3.9%増)と、リーマン・ショック以前の妥結水準(75万3180円)を209円上回っている。