厚生労働省はこのほど、国際標準化機構が本年3月に労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格(ISO45001及びISO/IEC TS 17021-10)を発行したことを踏まえ、労働安全衛生マネジメントシステムに関する日本工業規格(JIS Q 45001、JIS Q 45100、JIS Q 17021-10及びJIS Q 17021-100)を制定したことを公表した。
労働安全衛生マネジメントシステムとは、企業での自主的な安全衛生管理のための取組みを体系的かつ継続的に実施するための仕組みであり、生産管理などの事業実施に関する管理と一体となって運用されるもの。厚労省では、労働災害の減少を図るため、労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(1999年労働省告示第53号)を公表し、企業での自主的な安全衛生管理の推進を図ってきている。
「JIS Q 45001」は、ISO 45001を基にその技術的内容及び構成を変更することなく作成したもの。「JIS Q 45100」は、日本の国内法令との整合性を図るとともに、多くの日本企業がこれまで取り組んできた具体的な安全衛生活動、日本における安全衛生管理体制を盛り込み、JIS Q 45001との一体運用によって、労働災害防止及び健康確保のために実効ある労働安全衛生マネジメントシステムを構築することを目的としたもの。
「JIS Q 17021-10」は、ISO/IEC TS 17021-10を基にその技術的内容及び構成を変更することなく作成したもの。「JIS Q 17021-100」は、JIS Q 17021-10の要求事項に加え、JIS Q 45100の審査及び認証を行う要員に求められる力量要求事項を明確化することを目的としたもの。内容は、日本工業標準調査会ホームページを始め、厚労省労働基準局安全衛生部安全課においても閲覧できる。
なお、新たな日本工業規格のうち、JIS Q 45001及びJIS Q 45100については、中央労働災害防止協会と一般財団法人日本規格協会から、この規格を用いて労働安全衛生マネジメントシステムを導入する際の参考となる解説書の発行を予定している。