ふるさと納税、過度な返礼品の地方自治体は対象外に

 野田聖子総務大臣はこのほど、閣議後の記者会見で、寄附金に対して3割を超えるような過度な返礼品を行っている場合や、返礼品が地場産品でない地方自治体を、ふるさと納税制度の対象外とする抜本的な見直しを検討することを明らかにした。今後、総務省が見直し案を取りまとめ、与党の税制調査会で議論した上で、2019年度の通常国会に地方税法改正案を提出し、早ければ2019年4月からの施行を目指す。

 ふるさと納税に対する返礼品競争が地方自治体間で過熱したり、制度の趣旨に反する返礼品が送付されているとの指摘があったことから、総務省ではこれまで、ふるさと納税の趣旨に反する返礼品として、商品券など金銭類似性が高いものや貴金属など資産性が高いもの等を示すとともに、返礼割合は3割以下にすることなどとする要請を地方自治体に対して通知し、制度の趣旨に合った見直しをするよう指導してきた。

 同省によると、返礼割合が3割超の地方自治体は、2016年度に1156団体(全国1788団体の64.7%)あったが、2017年春に、寄附金に対する返礼の割合を3割以下に抑えて地場産品以外は扱わないように大臣通達で各自治体に要請。2018年春にも同様の要請をしたが、本年9月1日現在で依然として246の地方自治体が(同13.8%)あり、また、190の地方自治体では地場産品以外と思われる返礼品を送っていた。

 こうした実態を踏まえ、返礼割合が3割超だったり、地場産品以外の返礼品を送る地方自治体へ、ふるさと納税として寄附をしても、寄附金から2千円を除いた金額が所得税や住民税から控除される税優遇の対象から外す方針を示したわけだ。実現すれば、対象外となる地方自治体への寄附は大きく減り、地方財政にも影響することになる。見直しの内容がどのようになるのか、年末に公表される2019年度与党税制改正大綱が注目される。

 なお、総務省が全ての地方自治体(1788団体)を対象に実施した「ふるさと納税に関する現況調査」結果(有効回答数:都道府県47団体、市区町村1741団体)によると、今年3月までの1年間(2017年度)におけるふるさと納税の寄附額は3653億1667万円にのぼり、前年度の約1.28倍、寄附件数も1730万1584件で前年度の約1.36倍となったことが明らかになっている。寄附額は5年連続で過去最高を更新している。

 ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況調査結果は↓
http://www.soumu.go.jp/main_content/000573243.pdf