2017年の国内ゴルフ用品市場は1.6%増の2587億円

 矢野経済研究所が発表した「ゴルフ用品市場に関する調査」結果によると、2017年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比1.6%増の2587億円となった。同市場において構成比の高いゴルフクラブ及びゴルフウエアがいずれも前年比プラスとなったことが全体市場のプラス要因の一つだが、この数年間、市場は一年おきに増減を繰り返す傾向が続いており、継続的な市場拡大が実現しているとは言い難い環境にある。

 ゴルフ用品市場において注目されるものの一つに「携帯型飛距離測定器」がある。「ティー、マーカー類」、「練習器具」、「コンペ賞品、ギフト」、「その他(アイウエア、タオル、傘など」とともに「その他ゴルフ用品」市場の1カテゴリーであり、「GPS型(GPS機能を利用してコースの飛距離を測定するタイプ)」と「レーザータイプ(レーザー照射機能を利用してコースの飛距離を測定するタイプ)」とに大別される。

 2017年の携帯型飛距離測定器市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年比16.5%増の26億8000万円と伸長率が高くなっている。同市場は2000年代中盤頃に確立された比較的歴史の浅いカテゴリーだが、最近になって、GPS型の携帯型飛距離測定器では高低差が測定できるモデルや、ピンまでの距離が測定可能となったモデルなど新たな機能を搭載したモデルが発売されていることにより買い替え需要が活性化している。

 また、レーザータイプの携帯型飛距離測定器でも手ぶれ補正機能搭載モデルや高低差を加味した距離表示タイプなど付加価値を搭載したモデルに加え、実勢売価で1万円台の普及価格モデルも発売され人気となっている。更に2019年からのルール改正(競技での飛距離測定器の使用が認められる)を控え、2018年に入り小売店での販売にも弾みがついているようであり、メーカーサイドもルール改正に伴う「特需」に期待しているところが多い。

 2018年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比5.7%増の2735億7000万円と予測。2018年の上半期のゴルフ用品小売市場は全体で前年同期比105%台から107%台(販売実金額ベース)程度にて推移しており好調を維持。上半期のような小売市場環境が継続されれば今回の予測値(約6%、約150億円の増加)を実現することも十分に可能だが、その「持続性」が予測値を達成する上での大きな課題と言える。

 同調査結果は↓
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/1979