8月の倒産は677件、7ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は677件で、前月比では1.7%減少したものの、前年同月比では1.7%の増加となり、7ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では7業種中、卸売業や不動産などの3業種で、地域別では9地域中、北海道や中国、九州などの6地域で、それぞれ前年同月に比べ増加した。

 一方、負債総額は1129億2900万円(前月1022億8400万円、前年同月887億5400万円)となり、前月比は10.4%の増加、前年同月比でも27.2%の増加となり、5ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、負債100億円以上の倒産が1件発生したことが要因だが、負債5000万円未満の小規模倒産も58.5%と相変わらず大半を占めている。負債トップは、(株)日本アイコム(広島県、民事再生法)の116億8700万円だった。

 業種別にみると、7業種中3業種で前年同月を上回った。なかでも、卸売業(98件、前年同月比22.5%増)、不動産業(32件、同100.0%増)の2業種は大幅増。一方、建設業(125件、同4.6%減)など3業種は前年同月を下回り、製造業(78件)は前年同月と同数だった。卸売業は、生鮮魚介卸売(6件、同2件)、事務用機械器具卸売(6件、同1件)などで増加が目立つ。建設業は、建設需要の拡大などを受け、総合工事が5ヵ月連続の減少。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は396件で、構成比は58.5%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が438件で構成比は64.7%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(109件)が構成比27.5%(前年同月比0.1ポイント減)を占め最多、小売業(97件)が同24.5%(同4.0ポイント減)で続く。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回った。なかでも、北海道(17件、前年同月比54.5%増)、中国(39件、同50.0%増)の2地域は前年同月比50%以上の大幅増。また、九州(50件、同13.6%増)は6ヵ月連続の増加となった。一方、関東(229件、同9.5%減)など2地域は前年同月を下回り、四国(9件)は前年同月と同数だった。中国は、食品小売や飲食店など、広島県の小売業(10件、前年同月2件)が大幅に増加した。

 同倒産状況の概要は↓
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1808.html