電通、「健康に働くための指標」開発に向け調査実施

 電通は、会社で健康に働くためのカギを探り、健康に働くための指標を開発するため、多様な規模・業種の会社員を対象に「全国1万人会社員調査」を実施した。それによると、バイタリティを左右する要素を統計的手法を用いて分析した結果、社員や組織のバイタリティには、「睡眠」、「雑談」、「ちょっと幸せになれる習慣」(毎週、自分が幸せになれる活動をあらかじめ予定に組み込む習慣)という3つの要素が関係していることが分かった。

 本リリースでは、(1)本調査で得られたイキイキと前向きに仕事や生活ができている状態(バイタリティの状態)に影響する3つの要素と、(2)調査結果をもとに、バイタリティの状態を自分自身で簡潔に測定できる10個の設問を独自開発し、バイタリティスコアとして指標化・可視化することで、一人ひとりの社員がそれを健康に働くためのバロメーターとして活用し始めたこと、の2点について紹介している。

 「睡眠」に関しては、8時間の平均睡眠時間が取れている人のバイタリティが最も高い結果となり、睡眠時間の確保がバイタリティと深く関係しているようだ。具体的には、一般的に最低限必要といわれる6時間睡眠を基準とし、平日の平均睡眠時間が6時間台の人のバイタリティの度合いを100とした場合に、4時間未満では16%もバイタリティの度合いが低くなり、最も高くなるのは3時間台で3%ほどバイタリティの度合いが高くなった。

 「雑談」に関しては、「職場で雑談することがない」と答えた人のバイタリティの度合いを100とした場合に、「ある」と答えた人のバイタリティの度合いは33%ほど高い数値となり、雑談がバイタリティの高さに関係していることが分かった。業務効率化においては、不必要に思われがちな「雑談」が、バイタリティという視点においては、むしろ重要であるということが示唆された。

「ちょっと幸せになれる習慣」では、「毎週の予定に、自分が幸せになれる活動を入れるようにしている」人は、それがない人に比べ、バイタリティの度合いが21%高いなど、少し先の楽しみをきちんと予定しておくことの有用性が示唆された。なお、幸せになれる活動の具体例を自由回答で聞いたところ、「録画しているドラマを鑑賞する」、「カフェで読書する」、「お風呂上がりのオイルマッサージ」、「友達と食事に行く」などの回答があった。

 同調査結果は↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018088-0904.pdf