企業が存続し永続的に発展していくためには、次代への事業継承が円滑に行われることが重要だ。大阪シティ信用金庫では、この中小企業の後継者問題を4年ごとにアンケート調査で探ってきたが、このほど最近の調査結果を発表した。回答した経営者の年齢は、「50歳代」が29.6%で最多。また、「60歳代」は22.5%、「70歳以上」は13.2%あり、これらサラリーマンなら多くが定年となる「60歳以上」の年齢層が35.7%となっている。
調査結果(有効回答数1366社)によると、後継者の決定状況は、「すでに決まっている」と答えた企業が37.4%。これに対し、「決めていない」とする企業は51.8%だった。また、「自分の代限りにするので後継者は不要」とする企業は10.8%となっている。以上のように、「すでに決まっている」と「決めていない」を合計した約9割(89.2%)の企業は将来的に事業承継をしたいと考えているようだ。
後継者はすでに決まっていると答えた企業(37.4%、511 社)に対し、その後継者の現経営者との続柄を聞いた結果、「実子」と答えた企業が74.3%で圧倒的に多く、これに「実子以外の身内」(11.2%)を加えると、親族内の事業承継が85.5%となる。一方、「親族以外の役員・従業員」と答えた企業は13.9%となり、4年前の前回調査(2014年)と比べると6.2ポイント増加している。
将来的に事業承継をしたいが、まだ後継者を決めていないと答えた企業(51.8%、707 社)のその理由は、「まだ決めるべき時期ではないので決めていない」が77.1%。一方、「決めるべき時期が来ているが決まらない」とする、いわゆる後継者難の企業が22.9%あった。これを前回調査(2014年)と比べると、「決めるべき時期が来ているが決まらない」とした企業は2.4ポイント減少したものの、2割以上の企業が後継者難で悩んでいることになる。
後継者が決まらない理由については、全体でみると、「適任者が見当たらないから」と答えた企業が80.2%で最も多く、「適任者が応じないから」は19.8%だった。このように、適任と思う者が応じてくれないのは困難な問題であろうが、それ以前の問題として、適任者が見当たらないケースが「後継者難企業」の8割を占めたことは、中小企業における後継者問題の深刻さを表しているといえる。
同調査結果は↓
http://www.osaka-city-shinkin.co.jp/houjin/pdf/2018/2018-08-21.pdf