大阪府の宿泊税、10月1日から民泊施設にも課税

 大阪府では、今年10月1日から宿泊税の課税対象に民泊施設を追加する。大阪府では、東京都に続いて2017年1月1日から、大阪が世界有数の国際都市として発展していくことを目指し、都市の魅力を高めるとともに観光の振興を図る施策の財源の確保として法定外目的税「宿泊税」を導入した。その後、2017年7月1日から簡易宿所及び国家戦略特別区域法に規定する認定事業に係る施設(特区民泊)の宿泊者も課税対象に追加した。

 今回の課税対象拡大は、本年6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により、特区民泊以外でも住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部又は一部を活用しての民泊事業が増加することを想定したもの。今年3月の議会で「住宅宿泊事業法第二条第三項に規定する住宅宿泊事業」を課税対象に追加する宿泊税条例の改正を行うとともに、これについて総務省と協議を行い6月に同意を得ていた。

 宿泊税は、観光振興などを目的としてホテルや旅館の宿泊客から一定額を徴収する法定外目的税の一つ。大阪府の宿泊税は、宿泊料金1人1泊1万円以上で100円、1万5千円以上で200円、2万円以上で300円、の3段階(東京都は1万円以上で100円、1万5千円以上で200円の2段階)。大阪府によると、今回の課税対象の追加により同税の税収は平年度ベースで7億7900万円を見込んでいる。

 大阪府の民泊への課税を盛り込んだ改正条例は10月1日に施行となる予定だが、同10月には、京都市が、東京都、大阪府に続いて全国で3例目、市町村としては初となる「宿泊税」の導入を予定している。京都市の宿泊税は、ホテルや旅館、簡易宿所等のほか、いわゆる違法民泊等への宿泊者も含めた市内全ての宿泊施設の利用者に課すが、全ての宿泊施設の利用者に宿泊税を課すのは全国初となる。

 京都市の宿泊税の税率は、宿泊者1泊につき、宿泊料金が2万円未満の場合は200円、2万円以上5万円未満の場合は500円、5万円以上の場合は1000円の3段階とする。すでに宿泊税を導入している東京都と大阪府の場合は1泊1万円未満の場合は課税しておらず、東京都は1万5000円以上で200円、大阪府は2万円以上で300円が最も高い税額となっており、京都市の宿泊税は最高額となる。