数値目標設定した「過労死防止対策大綱」を閣議決定

 厚生労働省は24日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が同日、閣議決定されたと発表した。同省では、昨年10月から今年5月にかけて4回にわたり「過労死等防止対策推進協議会」を開催し、「過労死等防止対策大綱」の見直し案をまとめた。同大綱は、「過労死等防止対策推進法」に基づき、2015年7月に初めて策定したが、約3年を目途に、大綱に基づく対策の推進状況等を踏まえて見直すこととなっていた。

 今回の新「過労死等防止対策大綱」では、勤務間インターバル制度の周知や導入に関する数値目標を政府として初めて設定している。新たに「過労死等防止対策の数値目標」を立てて、変更前の大綱に定められた「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」など3分野の数値目標を改めて掲げるとともに、勤務間インターバル制度の周知や導入に関する数値目標など新たな3つの分野の数値目標を掲げた。

 数値目標は、2020年までに、(1)週労働時間60時間以上の雇用者割合を5%以下にすること、(2)勤務間インターバル制度について、労働者30人以上の企業のうち、制度を知らなかった企業割合を20%未満とすること、制度の導入企業割合を10%以上とすること、(3)年次有給休暇の割合を70%以上とすることのほか、2022年度までに、(4)メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とすること、などを掲げている。

 また、国が取り組む重点対策において、「労働行政機関等(都道府県労働局、労働基準監督署又は地方公共団体)における対策」を新たに項立てし、関係法令等に基づき重点的に取り組む対策として、(1)長時間労働の削減に向けた取組みの徹底、(2)過重労働による健康障害の防止対策、(3)メンタルヘルス対策・ハラスメント防止対策などを明記した。労働行政機関等における対策とともに、関係行政機関が緊密に連携して取り組む。

 そのほか、調査研究においては過労死等事案を分析するため、調査研究における重点業種等(過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種)として、自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療を引き続き対象とするとともに、近年の状況を踏まえ、建設業、メディア業界を追加し、また、上記重点業種等に加え、宿泊業等についての取組みも記載している。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000101654_00003.html