国土交通省は、住宅関係の税制特例(特別控除等の税制優遇措置)の適用を受ける際に必要な建築士の証明書の記載欄から、建築士個人の住所欄を削除する方針を明らかにした。同省では、これに対する意見を8月5日まで募集した後、証明書を規定した告示・通達を改正し、本年10月から施行する予定となっている。改正の背景には、個人情報保護の重要性の高まりがある。
現行、長期優良住宅や耐震リフォーム等に係る税制特例の適用を受ける場合、申請者は、各特例の要件に該当する家屋や工事内容であることを証明する書類を建築士等に発行してもらい、手続きの際に税務署等へ提出することが求められている。対象となる証明書には、増改築等工事証明書、耐震基準適合証明書、認定長期優良住宅建築証明書、認定低炭素住宅建築証明書、住宅性能証明書などがある。
これらの税制特例の適用を受けるための証明書を発行できるのは、建築法に基づく建築事務所に所属する建築士を始め、建築基準法に基づく指定確認検査機関等だが、その証明書には、証明主体を明確にするため、証明主体の詳細情報の記載欄が設けられており、証明主体が建築士の場合は、建築士個人の氏名、住所、登録番号等を証明書に記載することになっている。
税制特例適用の手続きでは、証明書は税制特例を受ける申請者に発行し、その上で申請者により税務署等に提出されるため、建築士個人の住所情報が申請者の目に触れてしまうことになる。そのため、その証明書を定める告示等の改正により、建築士等の個人の住所情報を記載する欄の削除により、建築士等の個人情報保護に対応するわけだ。今後、パブリックコメントを経た上で、改正告示・通達を本年10月に公布・施行する予定となっている。
建築士個人の住所欄を削除する案は↓
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000176054