66歳以上でも希望者全員が働ける企業の割合6.7%

 少子高齢化が進むなか、働きたいと願う高齢者が年齢にかかわりなく働くことのできる社会の実現が求められている。高齢者等の雇用の安定等に関する法律により、企業に対しては65歳までの雇用確保措置の導入が義務付けられており、ほぼすべての企業で導入されている。一方で、65歳を超えても働きたいと願う高齢者の割合が約7割という調査結果からも、66歳以上でも働くことのできる環境整備が今後重要とみられている。

 厚生労働省がこのほど発表したレポートは、66歳以上でも希望者全員が働ける企業の割合を、企業規模別、産業別に過去5年の時系列で分析した。それによると、希望者全員が66歳以上でも働くことのできる企業の割合は、2023年度の5.5%から2017年度の6.7%まで全体的にゆるやかな増加傾向である。特に、2016年度から2017年度にかけての伸びが大きく、「31~100人」規模企業で顕著である。

 また、企業規模別にみると、「31~100人」規模の企業で最も高く、2017年度では8.4%(2016年度7.2%)と、前年度から1.2ポイントの伸びとなっている。一方で「301人以上」規模の企業では、近年上昇傾向であるものの、2017年度では1.9%と低い水準にとどまっている。このように、規模が小さい企業のほうが、65歳を超えた高齢者雇用に積極的である状況がうかがえる。

 希望者全員66歳以上まで働ける企業の割合は、産業別に比較すると、「宿泊業、飲食サービス業」(10.2%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(10.6%)が高く、次いで「運輸、郵便業」(8.7%)、「建設業」(8.2%)が高い。2013年度と2017年度を比較すると、「情報通信業」以外の産業において割合は増加しており、特に「建設業」(2.9ポイント増)、「医療、福祉」(2.4ポイント増の7.7%)において伸びが大きい。

 このように、希望者全員が66歳以上まで働ける企業割合は産業別により差異が大きく、人手不足の産業を中心にその割合が高い。なお、雇用確保措置内容の内訳を産業別にみると、「情報通信業」、「サービス業(他に分類されないもの)」で定年廃止の割合が高い(各60.8%、50.4%)。一方で、「製造業」では66歳以上までの継続雇用延長の割合が48.8%と高い。全産業における雇用確保措置の内訳をみると、定年廃止の割合が42.7%と最も高い。

 この件は↓
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000208810.pdf