2017年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2197万7千件(前年分比1.3%増)で3年連続の増加となったが、過去最高だった2008年分(2369万3千件)を6.3%下回る。それでも2011年分から横ばいで推移しており、こうした2千万件を超える納税者数に対応するために、国税庁は、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進、そのためのICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。
国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe−Taxなど、ICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1434万2千人にのぼり、2016年分より7.4%増加した。所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は前年より3.7ポイント上昇の65.3%に達した。贈与税の申告でも、提出人員50万7千人のうち74.4%(37万7千人)がICTを利用、その割合は前年分から2.5ポイント上昇している。
署でのICT利用は、署のパソコンで申告書を作成して「e−Tax」が419万1千人、同「書面での提出」が40万7千人の計459万8千人と、前年分に比べ2.6%減少。一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成、書面で提出」が465万人、「同e−Tax」が61万5千人、「民間の会計ソフトで申告書を作成してe−Tax」が402万3千人の計928万9千人で同9.4%増と、自宅等でのICT利用が増加している。
一方、全国拡大後14回目の確定申告となるe−Tax(国税電子申告・納税システム)は、(1)添付書類の提出省略、(2)書面提出に比べ還付金を早期還付、などのメリットを積極的に広報するなど普及拡大に努めた結果、e−Taxでの所得税の申告書提出件数が、前年の864万4千人から882万9千人へと2.1%増加した。これは、所得税の確定申告書の提出人員の約4割(40.2%)がe−Taxを利用したことになる。
このように、ICTを活用した施策を推進する一方で、今年で14回目となる閉庁日における申告相談を2月18日と2月25日の日曜日に、228税務署を対象に、税務署のほか合同会場・広域センターの計138会場において実施。これらの会場における両日の相談件数は前年比▲2.6%減の19万2千件、申告書収受件数は同▲0.2%減の29万3千件と、やや減少したものの、閉庁日対応の効果が十分にうかがえる結果となっている。