新入社員は定年まで働く「長期勤続志向」が低下傾向

 東京商工会議所が発表した「新入社員意識調査」結果(有効回答数957人)によると、就職先の会社でいつまで働きたいかでは、「定年まで」が21.1%となり、10年前の2014年度調査(35.1%)と比べて14.0ポイント減少した。また、「チャンスがあれば転職」は26.4%となり、10年前の2014年度調査(11.9%)と比べて14.5ポイント増加したことから、新入社員は「長期勤続志向」が低下し「転職志向」が高まる傾向にあることがうかがえる。

 就職先の会社を決める際に重視したこと(複数回答)については、「処遇面」(56.0%)、「社風、職場の雰囲気」(54.3%)、「福利厚生」(45.4%)、「就職先の会社の事業内容」(43.5%)、「働き方改革、ワーク・ライフ・バランス(年休取得状況、時間外労働の状況など)」(40.9%)が上位となった。就職先の会社を決める際に、誰の意見を最も重視したかでは、「誰の意見も重視していない」(31.2%)が最多で、その次に「親」(30.6%)が多かった。

 社会人生活で不安に感じること(3つまで回答)は、「仕事が自分の能力や適性に合っているか」(48.9%)、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」(42.4%)、「仕事と私生活とのバランスがとれるか」(40.2%)が上位となった。「特に不安なことはない」とする新入社員はわずか4.5%に過ぎず、95.5%の新入社員は、社会人生活を送ることに対して何らかの不安を感じていることが明らかになった。

 入社時点までに身につけたスキル・知識(複数回答)では、「ビジネスマナー(身だしなみ、挨拶、敬語、態度、席次等)」(36.3%)が最も多く、次いで僅差で「パソコン」(35.6%)が続き、以下、「就職先の会社の業種や業界に関する知識」(29.3%)、「Eメール文の作成」(22.3%)などが挙げられた。「特にない」は17.6%で、82.4%の新入社員は、入社時点までに何らかのスキル・知識を身につけている。

 「理想だと思う上司」はどのようなことを大事にしたり重視する人かでは(3つまで回答)、「仕事の指導を丁寧に行うこと」が49.2%で最も多く、次いで、「明確な理念や考えを持っていること」(36.1%)、「人間関係、チームワークを重視すること」(35.8%)、「業績や成果を正当に評価すること」(29.9%)、「部下に対して優しく丁寧に接すること」(24.2%)、「部下との仕事上のコミュニケーションを重視すること」(23.0%)が続いた。

 なお、「理想の上司」のイメージに近い有名人・著名人を(1)芸能界・文化人、(2)スポーツ界、(3)歴史上の人物からそれぞれ1名挙げてもらったところ、それぞれのベスト3は、 (1)芸能界・文化人では「水卜麻美」、「明石家さんま」、「内村光良」、(2)スポーツ界では「大谷翔平」、「イチロー」、「松岡修造」、(3)歴史上の人物では「織田信長」、「徳川家康」、「渋沢栄一」となった。(敬称略)

 同調査結果は

https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1202816