今年に入り大手外食チェーン122社の約7割が値上げ

 資源価格や原材料価格の高騰で、大手外食チェーンの値上げが相次いでいる。東京商工リサーチの調査によると、大手外食チェーン122社のうち、2022年に入りメニュー価格の値上げを公表したのは82社(構成比67.2%)と約7割に達した。82社のうち、2回以上の値上げを表明したのは28社(構成比22.9%)で、全体の2割を超えた。原材料高のほか、人件費や光熱費も上昇し、大手といえども外食産業は厳しい状況に置かれている。

 値上げ回数は、「1回」が54社(構成比44.2%)と半数近くを占めた。一方、「値上げしていない」企業は40社(同32.7%)と3割強だった。11月までに複数回の値上げを実施した企業は、「2回」が25社(同20.4%)、「3回」が3社(同2.4%)だった。値上げを複数回実施したのは、ファストフードや中華・ラーメン、回転寿司など、1品当たりの単価が安い業態で目立った。

 各社の値上げ対象のメニューから代表的な商品を抽出し、その値上げ幅を算出し結果、9月中旬から11月上旬の間に値上げ幅が判明した31ブランドのうち、最多レンジは「5%以上10%未満」の12ブランド(構成比38.7%)。10%以上の値上げは11ブランド(同35.4%)で、3割以上を占めた。業態別では、前回(9月)に続き「中華・ラーメン」が18ブランド(前回16ブランド)で最多だった。麺やスープ材料の値上げの影響が続いている。

 次いで、前回4位の「レストラン」が16ブランド(同9ブランド)で、前回2位の「ステーキ・焼肉」(今回14、前回12ブランド)や、同3位の「ファストフード」(今回・前回12ブランド)を抜いて2位になった。レストランの値上げは、夏まで最大手のファミレスチェーンに集中していたが、高級価格帯や、和食メニューが主力のレストランチェーンなども新たに値上げを表明し、件数を押し上げた。

 値上げの理由(複数回答)で最も多かったのは、「原材料」の高騰で89ブランド(構成比84.7%)と8割超を占めた。次いで、「物流」53ブランド(同50.4%)、「資源(原油含)」28ブランド(同26.6%)、人件費23ブランド(同21.9%)と続く。今後、冬場に燃料の最需要期を迎えるが、最低賃金の上昇による人件費の負担増も不可避で、さらに値上げが増える可能性を残している。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221114_01.html