2021年労働争議、過去2番目に低い297件~厚労省

 厚生労働省が公表した「2021年の労働争議統計調査」結果によると、同年の労働争議は、「総争議」の件数は前年より6件(2.0%)減の297件、総参加人員は同2963人(5.2%)増の6万389人となった。「総争議」の件数は、比較可能な1957年以降、最少だった2019年(268件)に次ぐ過去2番目の低さ。「総争議」のうち、「争議行為を伴う争議」の件数は同2件減の55件、行為参加人員は同1845人増の7858人だった。

 2021年の「争議行為を伴う争議」を行為形態別にみると、「半日以上の同盟罷業」の件数は32件、行為参加人員は722人、労働損失日数は1388日となり、前年に比べ、件数は3件(8.6%)減、行為参加人員は84人(10.4%)減、労働損失日数は429日(23.6%)減。「半日未満の同盟罷業」の件数は36件、行為参加人員は7267人となり、前年に比べ、件数は2件(5.9%)増、行為参加人員は1943人(36.5%)増となった。

 2021年の「争議行為を伴う争議」を産業別にみると、件数は、「医療,福祉」の18件が最も多く、次いで「製造業」及び「教育,学習支援業」8件、「情報通信業」7件。行為参加人員は、「医療、福祉」の5708人が最も多く、次いで「製造業」1052人、「卸売,小売業」511人、「情報通信業」307人。労働損失日数は、「運輸業、郵便業」の635日が最も多く、次いで「製造業」303日、「教育,学習支援業」242日だった。

 2021年の「総争議」の件数を要求事項別(複数回答、主要要求事項を2つまで集計)にみると、「賃金」に関する事項が150件(総争議件数の50.5%)と全体のほぼ半数を占めて最も多く、次いで、「組合保障及び労働協約」に関する事項が137件(同46.1%)、「経営・雇用・人事」に関する事項が96件(同32.3%)、所定外・休日労働や休日・休暇など「賃金以外の労働条件」に関する事項が31件(同10.4%)だった。

 2021年の「総争議」297件のうち、同年中に「解決又は解決扱い」になった件数は223件(総争議件数の75.1%)、「翌年への繰越」は74件(同24.9%)。解決方法をみると、「労使直接交渉による解決」が63件(解決又は解決扱い件数の28.3%)、「第三者関与による解決」77件(同34.5%)、「その他(解決扱い)」83件(同37.2%)。なお、「第三者関与による解決」では、労働委員会関与の「あっせん」が76件(同34.1%)で最も多かった。

同統計調査の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-r03-08.pdf