8月の消費意欲指数は48.6点、過去5年の最低値に

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に7月に実施した「来月の消費予報」によると、8月の消費意欲指数は48.6点で、前月比は+0.1ポイント、前年比では-0.2ポイントとともに横ばいとなり、8月としては過去5年の最低値となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は+0.8ポイント、前年比でも+1.4ポイントの28.5%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年8月は、夏休みやお盆、帰省のシーズンで、消費意欲指数がひとつの山場となる月だ。今年は7月から横ばいで、8月として過去5年の最低値だった前年をわずかながらも下回った。

 消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(7月396件→8月372件)の数はあまり変わらず、ネガティブな回答(同819件→887件)は増加。具体的にポジティブな回答では、前月と比べて「(夏休みがあるからなど)季節的な意欲向上」(同94件→115件)、「旅行の予定がある」(同43件→52件)が増えている一方で、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」(同71件→30件)は減少している。

 また、前年と比べると、消費にポジティブな回答(21年8月395件→22年8月372件)、ネガティブな回答(同902件→887件)とも大きな増減はなかった。具体的な回答では、「コロナで外出自粛」などのコロナ禍に関するネガティブな回答(同167件→18件)は大幅に減少する一方、「値上がり/物価高」(同2件→161件)や「暑い季節は出かけたくない」(同33件→109件)など、前年とは異なる問題が多くあがっている。

 物価上昇や猛暑への懸念により、8月の消費意欲は抑え気味になりそうだ。なお、カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「食品」、「飲料」、「レジャー」が20件以上増加し、「ファッション」が20件以上減少している。また、「食品」、「飲料」は前年比でも20件以上増えた。暑さ対策で飲料や食べやすいもの、さらに値上げへの備えもあって、食品、飲料の消費意向が高まっているようだ。

同調査結果は↓https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2022/07/202208.pdf