国税庁、住宅取得等資金の贈与特例の改正通達を公表

 2022年度税制改正により、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(「特例」)について、消費税率引上げに伴う反動減対策としての特例の役割は終えたことを踏まえ、消費税率10%が適用される住宅購入者を対象として設けられていた特別住宅資金非課税限度額が廃止され、非課税限度額が改められた。これを受けて国税庁はこのほど、同特例に係る改正通達を公表した。

 2022年度改正では、特例適用の前提となる贈与が契約締結日基準から受贈日基準に見直された上で、適用期限が2023年12月31日(改正前:2021年12月31日)まで延長された。特別住宅資金非課税限度額が廃止され、住宅取得等資金の贈与を受けた日が2022年1月から2023年12月31日の特例適用期間における非課税限度額は、省エネ等住宅が1000万円、それ以外の住宅が500万円となる。

 そこで、改正通達では、特別非課税限度額に関する事項を廃止し、引き続き、贈与税の課税価格に算入されない非課税限度額の算定での留意事項を明らかにしている。まず、 贈与により住宅取得等資金を取得した年分に係る非課税限度額は、既に特例の規定の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額がある場合には、1000万円(省エネ等住宅)または500万円(それ以外の住宅)からその算入しなかった金額を控除して算定すること。

 例えば、2022年中に省エネ等住宅以外の住宅用家屋取得のために贈与を受けた住宅取得等資金300万円について特例の適用を受けた場合に、2023年中に省エネ等住宅の増改築等のための住宅取得等資金800万円の贈与を受けたときの2023年分の非課税限度額は、省エネ等住宅に係る非課税限度額1000万円から、2022年分の贈与について既に特例の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額300万円を控除した残額の700万円となる。

 次に、贈与により取得した住宅取得等資金を充てて新築等をした住宅用の家屋の非課税限度額が、省エネ等住宅(1000万円)かそれ以外の住宅(500万円)のいずれに該当するかの判定は、その新築等をした直後の住宅用の家屋がいずれの場合に該当するかにより行うこと。また、同一年中に贈与により取得した住宅取得等資金を充てて新築等をした住宅用の家屋で省エネ等家屋に該当する場合とその他の家屋に該当するものがある場合がある。

 その場合には、特定受贈者ごとに1000万円か500万円かいずれか多い金額により非課税限度額を計算すること、などを非課税限度額の算定において留意的に明らかにしている。

 この件は↓

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/r0407/pdf/01.pdf