中国のロックダウン、国内企業の半数にマイナス影響

 新型コロナへの規制緩和が世界各地で進むなか、中国政府は感染を最小限に抑え込む「ゼロコロナ政策」を堅持。上海市のロックダウン(都市閉鎖)といった厳格な感染対策が、サプライチェーン(物流網)や生産活動の一部に混乱を招いている。日本の大手自動車メーカーも部品調達難から国内工場を停止するなど、国内企業の活動に影響が出ている。そこで、帝国データバンクは、中国ロックダウンの影響に関するアンケートを行った。

 その調査結果(有効回答数1653社)によると、中国が行うロックダウンなどの行動制限による企業活動への影響は、『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響が出る見込み」の合計)企業は48.4%とほぼ半数を占めた。内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」が35.5%、「今後マイナスの影響が出る見込み」が 12.9%。他方、33.8%の企業が「影響はない」と回答した。

 『マイナスの影響がある』企業を業界別でみると、「卸売」(60.2%)や「製造」(57.7%)を中心に、幅広い業界へ中国ロックダウンの悪影響が広がっている。企業からは「上海港が使えないため、原料が中国から届かない。他の港も対応が難しくなっており、調整を続けている」(界面活性剤製造、大阪)といった、上海市のロックダウンによるサプライチェーン(物流網)の混乱が、企業活動へ響いているとの声が多くあがった。

 さらに、影響の大きい「卸売」と「製造」を詳しくみると、「化学品製造」(73.8%)、「機械・器具卸売」(66.4%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業」(62.6%)、「機械製造」(56.6%)での悪影響が、とりわけ大きくなっている。企業からは、中国からの機械関連などの部品や原材料の入荷の遅れが企業活動に直接的のみならず、間接的にもマイナスの影響を与えているとの声が多く聞かれた。

 例えば、「客先で使用する部品が入ってこないため、当社への注文品も5月分全てキャンセルされた」(ガス・石油機器製造、群馬)との声が寄せられている。また、今後、中国ロックダウンの悪影響が及ぶことを不安視する声は、「建設」で17.3%、「卸売」で15.4%の企業で聞かれた。

 同調査結果は↓https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220505.pdf