上司の7割超が「部下に感情的に怒った経験」あり

 昨今、ビジネスシーンにおいても、「アンガーマネジメント(怒りを上手にコントロールするトレーニング)」が注目されている。そこで、マンパワーグループが、20代~50代の部下を持つ会社員等の男女400名を対象に実施した調査結果によると、部下に対して感情的に怒った経験の有無は、「よくある」(4.5%)、「たまにある」(27.3%)と回答した人が、全体の3割以上を占めていた。

 一方、「まったくない」(28.3%)との回答は3割弱にとどまっており、「部下に対して感情的に怒った経験がある」人は、全体の7割超という結果になった。感情的に怒ったシチュエーション(複数回答)では、最も多かったのは「業務への取組みや姿勢に問題があると感じた時」(45.6%)で、全体の半数近くの回答となっている。次いで、「話し方や態度そのものに対して」(28.2%)と回答した人も3割近くを占めている。

 3位以降、「業務がとにかく忙しい時」(15.7%)、「ミスや失敗をした時」(15.3%)、「自分の意見や指示に反論してきた時」(13.2%)が続き、業務が円滑に進んでいない状況に対し、焦りやいら立ちを感じ、怒りにつながる傾向がある。一方、「プライベートなことでイライラしていた日」(5.6%)、「自分の上司からの叱責があった日」(4.2%)は、どちらも5%前後で、自分自身に問題が起きたことから部下に怒りをぶつける人は少ないようだ。

 アンガーマネジメントの認識度や意識については、「知っていて、意識している」が31.0%、「知っているが、意識していない」が26.8%で、「言葉は知っているが、内容は知らない」(15.8%)と回答した人を含めると、アンガーマネジメントの認知度は全体の7割超という結果になった。しかし、実際に意識しているのは全体の3割程度と、アンガーマネジメントの手法を部下の指導で実践している人はあまり多くはないようだ。

 アンガーマネジメントを意識している人が、今後、部下の指導時に取り組みたいこと(複数回答)は、「席を立つ/少し時間をおく」(42.7%)、「深呼吸をする」(39.5%)、「相手の言い分を尊重し、適切な表現で伝える」(38.7%)が上位を占めた。物理的な距離や時間を取ることで相手との距離をおく、深呼吸で心を落ち着かせるなど、“思考”ではなく、“行動”によって自分の気持ちを切り替えようとする傾向がやや高いようだ。

 同調査結果は↓https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20211201.html