税務署に提出義務がある主な法定調書の提出義務者は

 法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料をいう。主な法定調書の提出義務者をみると、(1)「給与所得の源泉徴収票」は、給料、ボーナス、賞与、棒給、賃金、歳費、パート・アルバイト代その他これらの性質を有する給与の支払者となる。

 (2)「退職所得の源泉徴収票」は、法人の役員に対して退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与の支払者。ただし、死亡退職により退職手当等を支払った場合は、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出することになるので、「退職所得の源泉徴収票」は提出する必要はない。(3)「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、報酬、料金、契約金及び賞金の支払者となる。

 (4)「不動産の使用料等の支払調書」は、不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価の支払をする法人と不動産業者である個人。(5)「不動産等の譲受けの対価の支払調書」は、不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の譲受けの対価の支払をする法人と不動産業者である個人だ。

 (6)「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」は、不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払をする法人と不動産業者である個人が提出義務者となる。これらの(1)~(6)の法定調書は、原則として、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日までに支払事務を取り扱う事務所、事業所等の所在地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

 なお、2016年1月1日以後の金銭等の支払等に係る法定調書については、金銭等の支払を受ける者及び支払者等のマイナンバー又は法人番号を記載する必要がある。ただし、「給与所得の源泉徴収票」等で、受給者に交付するものは、マイナンバーを記載しないので、注意したい。また、なお、マイナンバー・法人番号の告知についての6年間の猶予期間は2021年12月31日で終了するので、注意が必要だ。