20年日本の総広告費はコロナの影響で9年ぶり減少

 電通はこのほど、わが国の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2020年日本の広告費」を発表した。それによると、2020年(1~12月)の日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、通年で6兆1594億円(前年比▲11.2%)となり、東日本大震災のあった2011年以来、9年ぶりのマイナス成長となった。

 「日本の広告費」は、(1)マスコミ四媒体広告費、(2)インターネット広告費、(3)プロモーションメディア広告費、に大きく3分類される。媒体別にみると、「新聞広告費」(前年比▲18.9%)、「雑誌広告費」(同▲27.0%)、「ラジオ広告費」(同▲15.4%)、「テレビメディア広告費」(同▲11.0%、地上波テレビと衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は同▲13.6%の2兆2536億円と6年連続減少した。

 「インターネット広告費」は前年比5.9%増の2兆2290億円となり、1996年の推定開始以来、一貫して成長を続け、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模の市場となった。「プロモーションメディア広告費」は同▲24.6%の1兆6768億円で、各種イベントや従来型の広告販促キャンペーンの延期・中止に加え、外出・移動の自粛も影響し、通年で減少した。特に「イベント・展示・映像ほか」、「折込」などが大幅に減少した。

 媒体別広告費の詳細をみると、「新聞広告費」は、新型コロナの影響による各種イベントの中止、宣伝予算の削減などに伴い出稿が大幅に減少。7~9月期以降は回復傾向だったが、通年で減少となった。業種別では、「情報・通信」がウェビナー、リモートワーク関連、オンラインショップ(EC関連)などの出稿増加により前年比7.9%増と伸長した一方、「交通・レジャー」は同▲48.9%と大幅に減少した。

 「雑誌広告費」は、新型コロナ拡大の影響による広告宣伝費の落ち込みやデジタルシフトの加速などにより、前年を下回る厳しい状況が続いた。「テレビメディア広告費」における地上波テレビは、新型コロナ拡大に伴う広告費削減などの影響により、1兆5386億円(前年比▲11.3%)。「インターネット広告費」は、新型コロナによる消費の低迷及び広告出稿減少の影響を受けたが、他メディアよりも早く回復基調となり、前年比5.6%増となった。

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