新型コロナで企業の2割が「業態転換の予定あり」

 帝国データバンクが発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1479社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は79.9%となった。2ヵ月連続で8割目前の水準で推移している。また、「影響はない」とする企業は12.0%、「(既に+今後)プラスの影響がある」企業は4.2%となった。

 業種別にみると、「マイナスの影響がある」と見込む企業は、「旅館・ホテル」が94.3 % でトップ、次いで、「飲食店」(91.9%)、「パルプ・紙・紙加工品製造」(91.7%)が続いた。「飲食店」においては、忘年会などの年末特需の減少から4ヵ月ぶりにマイナスの影響を見込む企業が増加。また、「プラスの影響がある」と見込む企業は、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が39.6%で4割近くにのぼった。

 以下、「放送」(17.6%)、「飲食料品小売」(15.4%)、「飲食料品・飼料製造」(12.4%)、「教育サービス」(11.5%)、「電気通信」(11.1%)などが続いた。企業から「プレミアム商品券の受注による売上増加」(印刷、東京)といった声が寄せられ、厳しい業界内であっても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で生じた新たな需要を獲得し売上増加を図る企業も現れている。

 新型コロナウイルス感染症の拡大が契機となっての事業の業態転換実施の有無では、「予定がある」企業は20.3%となり、5社に1社は既に転換済みか転換する可能性あるいは検討していることがうかがえた。とりわけ、経営戦略として「既に転換している」が2.1%となり、企業からは「GIGAスクール関連業務の事業拡大によるプラスの影響がある」(ソフト受託開発、群馬県)といった声が挙げられた。

 他方、「予定していない」(72.2%)は7割超だった。業種別にみると、業態転換の「予定がある」は、「飲食店」が45.2%で最も高く、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(35.9%)や「紙類・文具・書籍卸売」(34.0%)が上位に並んだ。「予定していない」では、「放送」が94.1%で最も高く、次いで「再生資源卸売」(90.9%)、「医療・福祉・保健衛生」(89.9%)、「建材・家具、窯業・土石製品製造」(81.2%)、「農・林・水産」(79.2%)が続いた。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210104.pdf