2020年6月以降、人手不足割合は緩やかに増加

 帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査」結果(有効回答数1万1448社)によると、現在の従業員の過不足状況は、正社員が「不足」と回答した企業は34.0%となった。5割を上回っていた前年同月から16.1ポイント減少し、10月としては5年ぶりの3割台、2013年(33.4%)に近い水準まで低下した。「適正」と回答した企業は46.7%で同5.6ポイント増加し、半数近くの企業が人手は適正と感じている。

 「不足」している企業を業種別にみると、オンライン授業の需要が増加している「教育サービス」が62.5%でトップ。また、同様にリモートワークなどで需要の拡大がみられる「電気通信」(60.0%)も高く、この2業種の増加が目立っている。次いで、災害復旧などの公共工事が堅調な「建設」(55.9%)、「農・林・水産」(54.7%)が続き、「家電・情報機器小売」(52.8%)も5割を超えている。

 規模別にみると、「大企業」(39.4%)は6割を上回っていた前年同月から22.0ポイント減少となり、全体より減少幅が大きい。「中小企業」は32.9%(同14.4ポイント減)、「小規模企業」は33.1%(同10.7ポイント減)。人手不足割合を月次の推移でみると、緊急事態宣言が発出され経済活動が停滞した4月に正社員・非正社員ともに大幅に減少。そして同宣言が続いた5月を底に、緩やかな増加傾向となっている。

 また、非正社員が「不足」していると回答した企業は19.0%となり(前年同月比10.3ポイント減)、2012 年10 月(15.8%)以来、10月としては8年ぶりに2割を下回った。「不足」企業を業種別にみると「家具類小売」が43.8%(同25.6ポイント増)で最も高く、「飲食料品小売」(41.8%、同18.9ポイント減)や「メンテナンス・警備・検査」(41.7%、同12.9ポイント減)も4割台で続いている。

 2020年1月まで人手不足が顕著だった「飲食店」と「旅館・ホテル」については、両業種とも新型コロナにより深刻な打撃を受けGoToキャンペーンの対象となっているが、「飲食店」では緊急事態宣言が解除されて以降、正社員・非正社員ともにほぼ横ばいで推移。一方で「旅館・ホテル」は、「GoToトラベル」が本格化し始めた8月以降に大きく増加し、特に正社員の人手不足割合は直近10 月には4割を上回った。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201105.pdf