新型コロナの影響は、女性とファミリー層で顕著

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、4月の消費意欲指数は45.3点で、前月比は+0.2ポイント上昇したものの、前年比では-1.3ポイント低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-2.8ポイント、前年比-1.5ポイントの23.2%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(4月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。4月は例年、3月からの変動が少ない月で、今年も前月比は+0.2ポイントと横ばい。前年比も全体では-1.3ポイントとやや低下するにとどまっているが、属性による差が大きくなった。

 性別でみると、男性では前月比+2.5ポイント・前年比+0.3ポイントに対して、女性は前月比-2.1ポイント・前年比-2.9ポイントと低下。年代別では、30代で前月比-2.0ポイント・前年比-4.2ポイントと落ち込みが大きくなっている。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、「新生活、新年度、新学期準備」(19年4月66件→20年4月34件)、「欲しいもの、出費予定がある」(同80件→57件)といった意見が前年から大幅に減少した。

 また「感染が不安なので出かけたくない」などの新型コロナウイルスに由来する消費へのネガティブな意見が激増しているが(20年3月17件→20年4月251件)、内訳をみると男性109件・女性142件と女性のほうが多く、女性142件のうち子どものいる人が94件を占めている。新型コロナウイルスの流行は、女性やファミリー層の消費にとって大きなブレーキとなりそうだ。

 新型コロナウイルスに関しては、意欲の減少や外出控え、旅行・イベントの中止、収入減、先行き不安感といったネガティブな意見(251件)だけでなく、「こんな時だからこそ経済を回したい」といったポジティブな意見(38件)まで、様々な意見が挙がっている。ネガティブな意見のほうが圧倒的に多いものの、指数の低下が大きい女性と30代でも、2019年10月の消費税増税時ほどには低下していない。

 この背景として、「服を買いたい」(19年4月61件→20年4月61件)という意見は前年から減っていない、「特に買いたいもの・利用したいサービス」でも前年並みかプラスとなっているものも多いなど、消費したいという気持ちは必ずしもなくなっていないものの、 現実として消費や外出ができる状況にないと捉えている人が多いことが考えられる。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/202004.pdf