66%の国内企業に新型コロナウイルスの影響の可能性

 東京商工リサーチが国内企業を対象に2月7日から16日に実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」結果(有効回答数1万2348社)によると、新型コロナウイルスの影響は、66.4%の企業が「すでに影響が出ている」(22.7%)、又は「今後影響が出る可能性がある」(43.7%)と回答した。「すでに影響が出ている」と回答した企業のうち、約4割(構成比35.9%)が「現地サプライヤーからの仕入が困難となった」と回答している。

 企業規模別では、「現時点ですでに影響が出ている」は、大企業(資本金1億円以上)が31.5%だったのに対し、中小企業(同1億円未満)は20.6%と、大企業が10.9ポイント上回った。グローバルに展開し、中国と直接・間接に取引密度を高めている大企業ほど、新型コロナウイルスの影響がより早く出ている。また、感染拡大による懸念については、半数(51.3%)の企業が「中国の消費減速、経済の低迷」を挙げた。

 産業別で「すでに影響が出ている」は、「卸売業」(29.6%)や「運輸業」(27.2%)、「製造業」(26.7%)でそれぞれ3割近くを占めた。「今後出る可能性」では、「製造業」が最も多く51.7%、次いで、「卸売業」の47.3%。世界的なサプライチェーン(供給網)を築く「製造業」や、価格競争などで国境を跨ぎ商品を輸入する「卸売業」などへの影響が色濃く出た格好だ。宿泊業や旅行業が含まれる「サービス業他」は38.3%だった。

 「すでに影響が出ている」と回答した企業のその内容(複数回答)は、最多が「現地への出張の中止、延期」の39.3%、次いで、「現地サプライヤーからの仕入が困難となった」(35.9%)、「売上が減少」(32.7%)、「営業日数が減少」(20.5%)と続く。また、「現地取引先の事業停止や倒産の発生」は4.9%だった。新型コロナウイルスの発生から約2ヵ月が経過し、すでに中国では企業の信用度に大きな変動が生じているようだ。

 「今後影響が出る可能性がある」と回答した企業のその内容(複数回答)については、最多は、「売上の減少」の42.3%、次いで「現地サプライヤーからの仕入困難化」(30.1%)と続く。「現地取引先の事業停止や倒産の発生」を懸念する企業は6.6%だった。「その他」では、「金融機関の融資姿勢の変化」や「ソフトウェアの委託開発の遅れ」、「中国人を中心とした不動産投資の減退」、「社員への感染」などがあった。

 同調査結果は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200220_04.html