消費意欲指数、夏らしい消費に関する意欲は減少傾向

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20〜69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、8月の消費意欲指数は49.7点で、前月比+1.1ポイント、前年比では-0.4ポイントと、前月からはプラス、ほぼ前年並みとなった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-1.9ポイント、前年比-1.1ポイントの29.1となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。夏休みや帰省のシーズンである8月は、毎年50点前後の高い消費意欲指数を示す月だが、今年は50点には届かなかったものの、前月からは1.1ポイント上昇した。

 特に買いたいモノ・利用したいサービスでも、「旅行」、「外食」、「レジャー」などの夏の行楽への意欲が前月より20件以上増加している。一方で、前年との比較では「ファッション」が前年より20件以上減少しており、「旅行」、「外食」、「レジャー」も前年比では減少。消費意欲指数の理由(自由回答)をみても、夏休みの買い物や夏物衣料の購入などの季節消費への意欲をあげる声(2018年8月171件→2019年8月158件)が減少している。

 また、「セールがあるので買いたい」という声(2018年8月51件→2019年8月26件)も前年より減少している。梅雨が長く、なかなか夏らしい天気にならないことが、夏の消費への意欲に影響しているのかもしれない。なお、「今月までに多く使ったのでセーブしたい」(2018年8月42件→2019年8月62件)、「金銭的な余裕がない」(2018年8月97件→2019年8月131件)といった経済的な余裕のなさに関する声も大きく増加している。

 8月の消費意欲指数は、指数は前年並みながら、実際の消費にどれだけ結びつくかは不透明といえそうだ。「消費税増税を理由に消費を控えたい」という声は、今月も21件あがっている(2019年6月13件→2019年7月19件→2019年8月21件)。一方で、先月に増加した「増税前に買いたい」との声も引き続き増加している(同3件→19件→27件)。増税に関する声がどう推移していくかは、今後の動向を見守りたいところ。

 同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2019/07/201908.pdf