平成に創業した企業は全体の約6割、昭和の約2倍

 2019年5月1日、元号が『令和』に変わる。東京商工リサーチは、保有する企業データベース(約345万社)から元号ごとの創業企業を抽出し、「平成」創業の企業を分析・調査した。その結果、平成30年間に創業された企業は全国で207万4902社、全体(345万社)の約6割(60.1%)を占めたことが分かった。年数では平成の約2倍で、63年余り続いた昭和(1926~1988年)の創業企業(108万3383社)の約2倍に達した。

 地区別の平成企業は、最多が「関東」の98万4210社(構成比47.4%)で約半数を占めた。以下、「近畿」34万644社(同16.4%)、「中部」20万8770社(同10.0%)と大都市圏が続き、最も少なかったのは「北陸」の3万5542社(同1.7%)だった。各地区の企業数を母数として算出した「平成創業率」は、トップが「関東」の66.9%、以下、「近畿」61.7%、「北海道」57.6%、「九州」55.9%と続き、最低は「北陸」の47.3%だった。

 都道府県別の平成企業では、最多が「東京都」の55万9116社(構成比26.9%)。2位の「大阪府」18万8820社(同9.1%)の約3倍と圧倒的で、平成に創業した企業の4社に1社が東京都に集中したことになる。 次いで、3位は「神奈川県」13万9235社(同6.7%)、4位「愛知県」10万5778社(同5.1%)、5位「埼玉県」9万7374社(同4.6%)と大都市圏が上位に並び、上位5都府県(109万323社)だけで全体の半数を占めた。

 平成企業を産業別にみると、「サービス業他」が80万439社(構成比38.5%)と最多で、約4割を占めた。次いで、「建設業」29万759社(同14.0%)、「小売業」22万625社(同10.6%)と続き、上位3産業で全体の6割(同63.2%)を占めた。昭和と平成の比較では、「建設業」(25.6→14.0%)、「製造業」(15.7→7.5%)の構成比が大きく減少した。反面、「サービス業他」(20.7→38.5%)が約2倍の構成比に伸ばした。

 このほか、平成に大きく構成比を伸ばした産業は、「情報通信業」(1.3→6.9%)、「金融・保険業」(0.7→2.5%)など。情報通信業は、インターネットの普及を端緒としたIT革命を経て、IoT時代に突入。また、携帯電話が急速に普及し、スマートフォンへと進化した。金融業界は、金融ビッグバンを契機に規制緩和が進んだほか、決済手段も多様化、金融とITの融合がキーワードとなった。

 平成企業を業種別にみると、トップが「経営コンサルタント業、純粋持株会社」で8万6018社(構成比4.1%)。起業ブームを背景に、コンサルティング業務を請け負う業態が勃興し、経営の多角化で持株会社化も増え、平成を特徴付ける業種が最も多く創業された。このほかトップ10は、3位に「食堂,レストラン(専門料理店を除く)」7万7965社(同3.7%)が入ったほか、5~7位にもサービス関連業種がランクインしている。

 同調査結果は↓

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190422_02.html