人手不足、正社員・非正社員とも1月の過去最高更新

 2018年の人手不足倒産の件数は153件(前年比44.3%増)となり、調査を開始した2013年以降で最多を更新し、人手不足が企業活動に与える影響は一段と強まっている。帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査」結果(有効回答数9856社)によると、現在の従業員の過不足状況は、正社員が「不足」と回答した企業は53.0%で、1年前(2018年1月)から1.9 ポイント増加し、1月としては過去最高を更新した。

 「不足」と回答した企業を業種別にみると、「放送」(76.9%)がトップ、次いで、「情報サービス」(74.8%)、「運輸・倉庫」(71.9%)となり、3業種で7割を超える企業が不足を感じていた。さらに、「建設」(67.8%)、「飲食店」(65.9%)、「家電・情報機器小売」(64.7%)などの6業種が6割台となった。なかでも「飲食店」は1年前の32位から5位へと大幅に上昇し、正社員における不足感が一段と鮮明化している。

 規模別にみると、「大企業」(62.4%)では6割以上の企業が「不足」としており、1年前から3.3ポイント増加。「中小企業」は50.6%(1年前比1.5ポイント増)、「小規模企業」は45.6%(同1.4ポイント増)が不足となり、3規模すべてで増加、いずれも1月として過去最高を更新した。人手不足は企業規模を超えて広がっており、なかでも「中小企業」は2018年10月以降、5割以上の高水準で推移している。

 一方、非正社員が「不足」していると回答した企業は34.4%(1年前比0.3ポイント増)となり、1月としては過去最高を更新した。非正社員の人手不足割合は、初めて3割を超えた2017 年10月以降、3割を超える高水準で推移し続けている。非正社員について、最も人手不足と感じている業種は「飲食店」(84.1%、1年前比9.8ポイント増)となり、他業種と比較して群を抜いた不足感が続いている。

 また、「飲食料品小売」(67.7%)、「メンテナンス・警備・検査」(61.7%)、百貨店やスーパーなどを含む「各種商品小売」(57.5%)、「娯楽サービス」(57.4%)、「旅館・ホテル」(54.2%)、「人材派遣・紹介」(52.1%)など8業種が5割以上となり、うち5業種が小売やサービスなどの接客業となった。規模別にみると、「大企業」(38.1%)、「中小企業」(33.3%)、「小規模企業」(31.8%)のすべての規模で1年前を上回った。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190207.pdf