2017年分民間平均給与は5年連続増加の約432万円

 国税庁が発表した2017年分民間給与実態統計調査結果によると、2017年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は432万2千円で、前年に比べ2.5%(10万6千円)増加したことが分かった。平均給与は5年連続の増加。調査は、全国の約2万事業所、約31万7千人の数値をもとに推計したもの。調査結果によると、2017年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ1.2%増加の5810万8千人だった。

 そのうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比1.6%増の4945万1千人(正規3288万人、非正規1133万6千人)となり、5年連続で過去最多を更新している。その平均給与約432万円の内訳は、平均給料・手当が同2.0%増の364万2千円と3年連続の増加、賞与は同5.4%増の68万円と2年ぶりに増加した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から0.6ポイント増の18.7%となった。

 男女別の平均給与は、男性(平均年齢45.9歳、平均勤続年数13.5年)が前年比2.0%増の531万5千円、女性(同46.2歳、同10.1年)が同2.6%増の287万円で過去最高額となった。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同1.4%増の493万7千円(男性547万5千円、女性376万6千円)、非正規は同1.7%増の175万1千円(男性229万4千円、女性150万8千円)とともに増えた。

 平均給与を事業所規模別にみると、従業員「10人未満」の事業所の352万円に対し、同「5000人以上」の事業所では507万1千円。また、業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が747万円と突出して高く、次いで「金融業、保険業」の615万円、「情報通信業」の599万円が続き、対して最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の253万円、次いで「農林水産・鉱業」の326万円、「サービス業」の348万円となっている。

 給与所得者4945万1千人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の84.9%を占める4197万5千人で、前年より2.1%増加した。その納税額(源泉徴収税額)は9兆7384億円、納税者の給与総額に占める税額の割合は4.89%だった。納税額は前年に比べ7.7%増加。また、給与所得者のうち、年末調整を行った人は90.3%に当たる4465万1千人で、同1.2%増加した。

 年末調整を行った給与所得者4465万1千人のうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた者は30.5%に当たる1363万5千人で、扶養人員のある者1人当たりの平均扶養人員は1.46人。また、配偶者特別控除の適用を受けたのは2.7%に当たる122万5千人で、平均控除額は30万3千円だった。

 同実態統計調査結果の概要は↓
http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/pdf/001.pdf