企業版ふるさと納税導入2年目の寄附額は23.5億円

 内閣府地方創生推進事務局が運営する「企業版ふるさと納税ポータルサイト」がさきごろ明らかにした企業版ふるさと納税(地方創成応援税制)の2017年度における寄附実績によると、寄附件数は1254社(対前年度比142.6%増、2016年度517社)、寄附額は23億5500万円(同215.3%増、同7億4700万円)で、2016年の創設初年度に比べて大幅に増加したことが分かった。

 2017年度において寄附受入額の多かった地方公共団体は、「福島県」で2億680万円(寄附件数52件)、次いで、「北海道夕張市」1億4644万円(同6件)、「茨城県堺町」1億3260万円(同12件)。寄附額の最も多い企業は、ドラッグストアを展開する「(株)ツルハ」で1億7000万円(寄附先:福島県)、次いで、「日立化成(株)」1億1000万円(同福島県浪江町)、「小城製薬」1億500万円(同京都府亀岡市、奈良県斑鳩町)だった。

 また、地域再生計画における事業分野別にみると、地域産業振興や観光振興、農林水産振興が含まれる「しごと創生」が989件(寄附額19億3500万円)で最多、以下、移住・定住の促進、生涯活躍のまち等の「地方への人の流れ」が152件(同1億9200万円)、小さな拠点、コンパクトシティ等の「まちづくり」が57件(同1億1500万円)、少子化対策や働き方改革等の「働き方改革」が56件(同1億1300万円)となっている。

 企業版ふるさと納税は、地方自治体が地方版総合戦略を策定するとともに、地方創生を推進する上で効果の高い事業と思われる「地域再生計画」を作成し、内閣府から計画の認定を受けた事業に対して企業が寄附を行うと、寄附額の3割に相当する額の税額控除の特例措置がなされる。現行制度での地方公共団体に対する法人の寄附に係る損金算入措置による軽減効果(約3割)と合わせて、寄附額の約6割に相当する額が軽減される。

 税目ごとの特例措置の内容は、(1)法人住民税:寄附額の2割を税額控除(法人住民税法人税割額の20%が上限)、(2)法人税:法人住民税の控除額が寄附額の2割に達しない場合、寄附額の2割に相当する額から法人住民税の控除額を差し引いた額を控除(寄附額の1割、法人税額の5%が上限)、(3)法人事業税:寄附額の1割を税額控除(法人事業税額の20%が上限)。なお、寄附額の下限は10万円と低めに設定されている。

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