ミドル世代の転職理由、「給与」「将来性」「評価方法」

 バブル崩壊やリーマンショックによる不況を理由に新卒採用を見送ったことで、中間層となる30代~40代の社員がいない現状に悩む企業は少なくない。しかし、経営層の考えを汲み取り、その意図を若手世代に伝える役割を担うミドル世代は、世代間の空洞を埋めるために必要不可欠だ。そこで、マンパワーグループは、直近3年以内に転職した35~55歳の正社員男女400人を対象に、ミドル世代の転職事情について調査した。

 調査結果によると、転職を経験した中間層400人に転職した理由を聞いたところ、男女ともに「給与の不満がある」、「会社の将来性が不安」、「会社の評価方法に不満がある」が上位を占めた。トップの「給与」は、男性34.5%、女性30.5%とともに3割以上が転職した理由に挙げている。「会社の将来性が不安」については、男性が34.5%に対し、女性は22.0%にとどまっていることから、男性は会社の将来性をより重視する傾向にあるようだ。

 転職活動でネックになったと感じたことについては、「年齢」がネックになったと感じた人が最も多く、男性64.0%、女性69.5%とともに6割以上を占めた。また、「給与」についても、男性54.5%、女性64.5%と、男女とも半数以上がネックに感じていることが分かった。ミドル世代は、若手世代よりも現職の給与が高額であるケースが多いため、転職先と折り合いをつけることが難しいことがうかがえる。

 次に「職務経験」をネックに感じた割合が多く、男性54.5%、女性50.0%とともに半数近くを占めた。即戦力として採用したい企業が多いことから、未経験の職種への転職は厳しい状況といえそうだ。「性別」(男性5.9%、女性17.5%)や「子の有無」(男性7.5%、女性19.5%については、どちらも女性のほうが「ネックになった」と感じた割合がやや上回っているが、全体的に見て、転職の障害になると感じている人は少ないようだ。

 このように、転職時に「年齢」、「給与」、「職務経歴」をネックに感じていた人が多いことから、企業が提示する条件が厳密であるほど応募のハードルが高くなり、良い人材を逃してしまう可能性がありそうだ。また、「職務経歴書などの準備時間が足りない」(男性/50歳)、「入社時期」(女性/43歳)などの声もあり、準備期間や入社時期など、応募者の状況に合わせた柔軟な対応が求められている。

 同調査結果は↓
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/180615.html