企業の42.9%が正社員不足、4月では過去最高

 帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査」結果(有効回答数9924社)によると、現在(4月時点)、正社員が「不足」と回答した企業は49.2%となった。正社員の人手不足割合は1年前(2017年4月)から5.5ポイント増と、引き続き高い水準で推移、4月として過去最高を更新した。4月は例年、新卒社員の一括採用などもあり人手不足の緩和傾向がみられるなか、企業の人手不足感は継続している様子がうかがえる。

 正社員が「不足」していると回答した企業を業種別にみると、ソフト受託開発などの「情報サービス」(69.2%、1年前比3.6ポイント増)が最も高く、企業の約7割が不足を感じていた。以下、「運輸・倉庫」(64.1%、同6.0ポイント増)、「建設」(64.0%、同3.9ポイント増)、「飲食店」(63.6%、同9.9ポイント増)、「放送」(61.5%、同11.8ポイント減)など6業種が6割台となった。

 規模別にみると、「大企業」(57.2%)では6割近くの企業が「不足」と考えており、1年前から6.6ポイント増加し、大企業における人手不足感は一段と強まっている。また、「中小企業」は47.2%(1年前比5.2ポイント増)、中小企業のうち「小規模企業」は43.8%(同5.5ポイント増)が不足していた。規模の大きい企業ほど正社員に対する不足感が強くなる傾向で推移するなか、小規模企業の人手不足も広がっている。

 一方、非正社員が「不足」していると回答した企業は32.1%となった(1年前比2.5ポイント増)。非正社員の「人手不足」割合は3割台となり、引き続き高水準で推移している。非正社員について、最も人手が不足していると感じている業種は「飲食店」(77.3%、同3.2ポイント減)が最高となったほか、「飲食料品小売」(73.1%、同13.7ポイント増)も7割を超える企業が不足と認識していた。

 以下、「電気通信」(58.3%)、「メンテナンス・警備・検査」(56.7%)、「家具類小売」(55.6%)など5業種が5割台となった。また、規模別にみると、「大企業」が36.2%、「中小企業」が30.9%、中小企業のうち「小規模企業」が30.5%とすべての規模で3割を超える企業が「不足」と考えていた。正社員と同様に、規模の大きい企業ほど非正社員に対する不足感が強くなるなか、従業員の少ない企業も人手不足は一段の高まりをみせている。

 同調査結果は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180505.pdf