金銭等の受取書でも営業に関しないものは非課税

 印紙税額一覧表の第17号文書は、「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」で、記載された受取金額が5万円未満は非課税だが、「5万円以上100万円以下」の200円から「10億円を超えるもの」の20万円まで14区分の印紙税額が示されている(受取金額の記載のないものは200円)。ただし、第17号文書の金銭や有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となる。

 営業というのは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うこととされており、(1)株式会社などの営利法人の行為は、その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になる、(2)公益社団法人・公益財団法人などの公益法人の行為は、すべて営業にならず、一般社団法人・一般財団法人で、法令の規定や定款の定めにより利益金・剰余金の配当・分配ができないものの行為も営業にならない、というように取り扱われる。

 また、(3)協同組合など会社以外の法人の行為は、法令の規定や定款の定めで利益金・剰余金の配当・分配ができることになっている法人の場合に、出資者以外の者との行為は営業になり、出資者との行為は営業にならない。(4)人格のない社団の行為は、公益および会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には、営業にならない。その他の人格のない社団が作成する受取書で、収益事業に関して作成するものは、営業になる。

 さらに、(5)個人の場合、「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業にならない、と取り扱われている。なお、店舗などの設備がない農業、林業、漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされているので、これらの行為に関して作成される受取書は営業に関しない受取書として取り扱われる。