若年層ほど出張に対する否定的な意識が高い傾向に

 パーソル総合研究所が発表した「出張に関する定量調査」結果(有効回答数1834人)によると、出張前に出張を前向きにとらえている層は75.8%だが、出張を終えた後に、出張を前向きにとらえている層は50.4%に低下した。出張に行きたいと思わない理由の上位は「長距離の移動が面倒くさい」、「移動時間が無駄だと思う」。また、「同行者がいると気疲れする」、「慣れない場所でのストレスは避けたい」などの理由は、若年ほど高い傾向にある。

 出張の効用・メリットについては、「その場の雰囲気を肌で感じられる」が77.0%。次いで「相手とコミュニケーションが取りやすい」(76.2%)、「相手との信頼関係を築ける」(74.6%)が続く。出張の効用・メリットと「企業・チーム/個人にとっての出張メリット」双方のメリットに対する影響度が高いものは、共通して、新たな気づきを得る機能、仕事への態度を前向きに変容する機能、偶発的にビジネスを拡大させる機能だった。

 出張移動中の過ごし方を行きの移動/帰りの移動それぞれで見ると、行き/帰りともに「特に何もしていない(寝ていた)」が最も多く、帰りの移動で特に多い。また、行きの移動では「スマホやノートPCで仕事をしていた」割合が高い。出張移動中の過ごし方別に「新たな気づき」機能(新しいアイデアや考え方が生まれる)の度合いを比較。行きの移動中に「自己研鑽」を行っている人ほど「新たな気づき」機能のスコアが高い傾向にある。

 出張業務外の過ごし方の実態は、「出張業務の関係者(社内)との懇親」が28.5%で最多、次いで「特に何も行っていない」(26.5%)が続く。出張中の業務時間外の過ごし方を4群(「巣籠り」「懇親のみ」「娯楽のみ」「懇親&娯楽」)に分類し、各群の3つの出張機能(「新たな気づき」「前向きな態度変容」「偶発的なビジネス拡大」)の度合いを比較したところ、いずれの出張機能も、「巣篭り」群で最も低く、「懇親&娯楽」群で最も高い傾向にある。

 なお、出張に関する支出金額は、交通費や飲食・宿泊費、娯楽サービスなども含めた合計で6万2216円。そのうち、自己負担の支出額は1万2471円、交通費を除き、地域での消費額は3万4284円。出張したことにより、出張先地域に対する貢献意識は「地域の消費に貢献したい意識」、「ふるさと納税を利用したい意識」、「イベントやボランティア活動に参加したい意識」のいずれも2割強が高まったと回答した。

 同調査結果は

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000111116.html