女性管理職の割合は平均10.9%、初の1割超え

 帝国データバンクが発表した「女性登用に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1282社)によると、自社における管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は、「30%以上」が11.4%、「20%以上30%未満」が6.4%、「10%以上20%未満」が9.1%、「10%未満」が25.5%だった。また、管理職が全員男性である企業は43.0%と前年から2.1ポイント低下したが、全項目のうち最も高かった。

 政府目標の「30%程度」を達成している企業の割合は前年から1.6ポイント増と、上昇幅は過去最大となり、2013年の調査開始以降で初めて10%を超え、上昇スピードが加速する兆しがみられる。一方、「10%未満」(0%を含む)は68.5%となり初めて7割を下回った。管理職に占める女性の割合の平均は10.9%と調査開始後初めて10%台に乗った。前年からの上昇幅は1.1ポイントと2021年と並び過去最大の伸びとなった。

 女性管理職の割合を規模別にみると、「大企業」が平均7.6%で最も低かった。他方、「中小企業」は11.5%、うち「小規模企業 」は14.4%となり、規模が小さい企業ほど女性管理職割合の平均は高い状況が続いている。業界別では、女性従業員が比較的多い『小売』が 19.4%で全体(10.9%)を8.5ポイント上回り、トップ。次いで、『不動産』(16.7%)、『サービス』(15.3%)、『農・林・水産』(12.7%)が上位に並んだ。

 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均13.5%と、前年(13.1%)から0.4 ポイント増加し、過去最高となった。一方で、役員が全員男性の企業は52.4%と依然として半数を超えた。女性役員割合の平均を規模別にみると、「大企業」が6.7%、「中小企業」が14.8%、うち「小規模企業」が19.1%となり、女性管理職と同様に規模が小さい企業ほど割合が高い結果となった。

 女性の活躍推進のために自社で行っていること(複数回答)は、「性別に関わらず成果で評価」が61.2%でトップ。「性別に関わらず配置・配属」(50.6%)が続き、男女平等に関わる項目が上位に並んだ。以下、「女性の育児・介護休業の取組み促進」(32.8%)のほか、「就業時間の柔軟化」(27.5%)や「時短勤務の対応」(27.1%)といった働き手の家庭と仕事の両立への支援となる取組みを行っている企業はおよそ4社に1社だった。

 日本において女性管理職の割合が上昇しない要因や課題(複数回答)は、「女性従業員の家庭と仕事の両立がしにくい」が 54.4%でトップとなり、唯一 50%を超えた。次いで、「日本社会の性別役割分担意識の存在」(38.5%)、「女性従業員が昇進を望まない」(36.2%)が続いた。規模別でみると、「その他」を除く 13 項目中「性別に関わらず成果で評価している」以外の12項目で「大企業」が「中小企業」を上回った。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240813.pdf