入職率16.4%、入職超過率1.0ポイントの入職超過

 厚生労働省が5人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に実施した「2023年雇用動向調査」結果(有効回答数:上半期9198事業所、下半期8643事業所)によると、2023年1年間の入職者数は850万1200人、離職者数は798万1000人で、差引52万200人の入職超過となった。年初の常用労働者数に対する割合である入職率と離職率はそれぞれ16.4%、15.4%で、入職超過率は1.0ポイントだった。

 前年と比べると、入職率が1.2ポイント、離職率が0.4ポイント上昇し、3年連続の入職超過となった。性別にみると、男性の入職率が14.3%、離職率が13.8%、女性の入職率が18.8%、離職率17.3%。就業形態別にみると、一般労働者の入職率が12.1%、離職率が12.1%で同率、パートタイム労働者の入職率が27.5%、離職率が23.8%。前年と比べて、男女とも一般労働者及びパートタイム労働者で入職率、離職率ともに上昇した。

 入職者数を就業形態別にみると、一般労働者の入職者数は449万7300人で、前年に比べて9万9000人増加し、パートタイム労働者の入職者数は400万3900人で、同60万4200人増加。また、離職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が328万6500人、「雇用期間の定めあり」が121万900人、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が163万6600人、「雇用期間の定めあり」が236万7300人となっている。

 入職者を職歴別にみると、転職入職者数は540万9900人で、転職入職率が10.4%、未就業入職者数は309万1300人、未就業入職者のうち、新規学卒者は150万9800人で、未就業入職率が6.0%。前年に比べて、転職入職率は0.7ポイント、未就業入職率は0.5ポイント上昇した。男性は、新規学卒者が71万5600人で、転職入職率は9.4%と0.7ポイント上昇し、未就業入職率は4.8%と0.3ポイント上昇した。

 転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は37.2%、「減少」は32.4%と「増加」が「減少」を4.8ポイント上回った。「変わらない」は28.8%。「増加」のうち「1割以上の増加」は25.6%、「減少」のうち「1割以上の減少」は23.4%。また、雇用期間の定めのない一般労働者間の移動では12.3ポイント、パートタイム労働者間の移動では9.0ポイント、それぞれ「増加」が「減少」を上回った。

 同調査結果の概況は

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/dl/gaikyou.pdf