印紙税の納付は原則収入印紙の貼付けだが特例あり

 印紙税とは、経済取引等に伴って契約書や領収書などの文書を作成した場合に、印紙税法に基づきその文書に課税される税金だ。課税文書の作成者は、原則として、課税文書に課されるべき印紙税相当額の収入印紙を課税文書に貼り付ける方法により印紙税を納付する。この場合には、自己またはその代理人、使用人その他の従事者の印章または署名で、その課税文書と印紙の彩紋とにかけて、判明に印紙を消す必要がある。

 印紙税の納付方法には、(1)税印押なつによる納付、(2)印紙税納付計器の使用による納付、(3) 書式表示による納付、(4)預貯金通帳等に係る一括納付の4つの特例がある。まず(1)は、課税文書の作成者は、課税文書に課されるべき印紙税相当額をあらかじめ金銭で国に納付した上で、税印押なつ機を設置している税務署(全国で118署)の税務署長に対し、課税文書に印紙を貼り付けることに代えて、税印を押すことを請求することができる。

 次に、(2)印紙税納付計器の使用による納付は、課税文書の作成者は、印紙税納付計器(国税庁長官の指定を受けている計器で、納付印が付いているものをいう)をその設置しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けて設置した場合には、印紙を貼り付けることに代えて、あらかじめ金銭で国に納付した金額を限度に、印紙税納付計器によりその課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額を表示した納付印を押すことができる。

 また、(3)の書式表示による納付は、課税文書を作成しようとする場合に、その課税文書が毎月継続して作成されるなど、一定の条件に当てはまるときは、課税文書を作成しようとする場所の所轄税務署長の承認を受け、印紙を貼り付けることに代えて、金銭でその課税文書に係る印紙税を納付することができる。書式表示の承認を受けて、課税文書を作成した場合には、課税文書の作成の時までにその課税文書に一定の表示をすることが必要となる。

 最後に、(4)の預貯金通帳等に係る一括納付は、特定の預貯金通帳等については、その預貯金通帳等を作成しようとする場所の所轄税務署長の承認を受け、金銭でその預貯金通帳等に係る印紙税を一括して納付できる。この一括納付の特例の承認を受けるには、承認を受けるための申請書を承認を受けようとする最初の課税期間(4月1日から翌年3月31日までの期間)の開始の日の属する年の3月15日までに税務署長に提出する必要がある。

 承認内容に変更があった場合には、改めて承認を受ける必要がある。これにより承認を受けた者は、毎年4月1日現在における預貯金通帳等に係る口座の数を基礎として計算した課税標準数量および納付すべき税額などを記載した印紙税納税申告書(一括納付用)を、4月末までに、承認を受けた税務署長に提出するとともに、その期限までに納税申告書に記載した納付すべき印紙税を納付しなければならない。