企業のメインバンク、12年連続で三菱UFJがトップ

 東京商工リサーチが発表した「2024年企業のメインバンク調査」結果によると、全国158万5849社の“メインバンク”は、12年連続で「三菱UFJ銀行」がトップを守った。取引企業数は12万6642社で、シェアは7.9%を占めた。2位は「三井住友銀行」で10万442社に伸ばし、初めて10万社を超えた。3位もメガバンクの一角、「みずほ銀行」が8万773社で続き、メガ3行のシェアは約2割(19.4%)に達する。

 上位3行に次いで、「りそな銀行」(3万9777社)、「北洋銀行」(2万7450社)が続くが、上位3行との差は大きい。北洋銀行は前年比5.5%増と取引企業数が大幅に増えた。信用金庫は、トップの「京都中央信金」(8830社)が社数を伸ばし安定。2位の「大阪シティ信金」(7384社)、3位の「多摩信金」(7163社)が追いかける。信用組合は、「茨城県信組」(3146社)が圧倒。2位「広島市信組」(1383社)、3位「新潟縣信組」(1202社)となった。

 メインバンク別に、取引先企業(2023年1~12月期)の売上高、最終利益を対象とした増収増益率を算出した結果、取引企業の増収増益率トップは、「京葉銀行」の39.1%。京葉銀行は、「『お客さま満足度№1のソーシャル・ソリューショングループ』の実現に向け、お客様が直面する様々な経営課題に対して、資金繰り支援にとどまることのない、オーダーメイドのソリューション提供に努めてきた結果と考えている」とコメント。

 2年連続で2位の「北國銀行」(構成比38.3%)は、「事業性理解(お客さまの事業内容を深く理解する取組み)とコミュニケーションを重視した営業活動によりお客さまと課題を共有し、北國FHDが提供する様々なソリューションを通じて、解決サポートした結果と考えている。引続き、この取組みをしていくことで、お客さま及び地域の持続的な成長に繋げていきたい」とコメントした。

 また、各年度(4~3月)に倒産した企業(負債1000万円以上)のメインバンク(判明分)を分析したところ、2023年度の企業倒産は、9053件だった。これを業態別にみると、最多は取引社数が多い「地方銀行」が1609社(構成比33.9%)。次いで、「信用金庫」1254社(同26.4%)、「都市銀行」1018社(同21.4%)、「第二地銀」524社(同11.0%)、「信用組合」152社(同3.2%)と続いた。

 2023年度末の業態別メインバンクの取引社数を分母にして、倒産企業数を除した「倒産比率」(その他除く)は、「信用組合」の0.44%が最も高かった。次いで、「信用金庫」の0.35%、「第二地銀」の0.34%、「都市銀行」の0.27%、「地方銀行」の0.25%と続く。倒産比率は、金融機関の支援度合いを測るものではなく、信用金庫や信用組合は、小・零細規模の企業との取引が多いため倒産企業は多いが、一方で増収増益の企業率も伸ばしている。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198846_1527.html