24年大手企業の賃上げ率、33年ぶり高水準の5.58%

 日本経団連が発表した「2024年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」の最終集計によると、大手企業の定期賞与とベースアップを合わせた賃上げ率は2023年実績を1.59ポイント上回る5.58%となった。同調査は、原則、東証一部上場企業、従業員500人以上の主要22業種大手244社を対象に実施。最終集計は、22業種186社(76.2%)で妥結しているが、このうち平均金額不明などの51社を除いた135社の回答を集計したもの。

 調査結果によると、賃上げ幅は2023年実績から5848円上昇して1万9210円となり、賃上げ幅は現行の集計方法を採用した1976年以降で最高だった。賃上げ率は1991年の5.60%以来33年ぶりに5%を超える高水準だった。この背景には、新型コロナウイルス禍が落ち着いてきて経済が正常に戻り、企業の業績が全体的に堅調なことに加え、物価上昇や人材確保に対応する賃上げが広がったことなどがある。

 製造業・非製造業別にみると、製造業(115社)平均は、妥結金額が1万9636円、賃上げ率が5.79%で、2023年実績と比べ、金額で6515円増、賃上げ率で1.80ポイント上昇ともに増加。また、非製造業(20社)平均は、妥結金額が1万7969円、賃上げ率が5.01%で、2023年実績と比べ、金額で3390円増、賃上げ率で1.05ポイント上昇と、製造業、非製造業ともに大きく増加した。

 業種別にみると、妥結金額は、「鉄鋼」(9社)の3万7528円(賃上げ率12.04%)が最も高く、次いで「建設」(5社)の3万1268円(同5.87%)、「情報通信」(3社)の2万9224円(同10.15%)、「造船」(9社)の2万2979円(同6.47%)、「機械金属」(4社)の2万2141円(同6.67%)が続いた。また、賃上げ率は、前年と比較できる16業種中、15業種で前年実績を上回り、最高は2年に1度の交渉方式を採る「鉄鋼」の12.04%だった。

 2024年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果は

https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/056.pdf