8月の消費意欲指数47.3点、過去5年の同月最低値

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に7月に実施した「来月の消費予報」によると、8月の消費意欲指数は47.3点で、前月比は+0.9ポイント上昇したものの、前年比では-3.3ポイントと大幅に低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は-1.3ポイント、前年比でも-3.2ポイントとともに低下して28.1%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。夏休みや帰省シーズンとなる8月は、例年消費意欲指数が高くなる月だが、今年は前月からやや上昇したものの、前年比では大幅に低下し、過去5年間の8月として最も低い数値となっている。

 消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(7月369件→8月364件)、ネガティブな回答(7月861件→8月840件)ともに、ほぼ横ばいとなった。具体的には、ポジティブな回答で、「(夏休みがあるからなど)季節的な意欲向上」や「旅行の予定がある・行きたい」が増加し、「(季節もの以外で、買い物など)出費の予定・欲しいものがある」が減少した。

 ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない」が増加。また、先月まで5ヵ月連続で増加していた「物価高・値上げ・円安」は前月からは減少したものの、依然高い水準であることに変わりなく、引き続き注視する必要がありそうだ。前年比では、消費にポジティブな回答(23年8月442件→24年8月364件)は減少し、ネガティブな回答(23年8月812件→24年8月840件)はやや増加している。

 具体的には、ポジティブな回答で、「季節的な意欲向上」が減少。ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない」や「物欲がない・消費意欲がわかない」が増加。夏休みや帰省シーズンに向けた8月らしい意欲はみられるものの、猛暑がハードルとなり、8月の消費意欲は例年より低めとなりそうだ。また、「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は28.1%で、前月比では低下し、前年比でも大幅に低下した。

 16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」が20件以上増加し、「書籍・エンタメ」、「化粧品」が20件以上減少した。前年比では、「旅行」、「化粧品」、「レジャー」、「外食」、「書籍・エンタメ」など11カテゴリーが20件以上減少した。夏休みや帰省シーズンに向け、「旅行」への意向は前月より高まりそうだが、前年と比べると外出関連など幅広いカテゴリーで消費意向が落ち着く月となりそうだ。

同調査結果は↓

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