雇用保険基本手当日額の最高・最低額を変更~厚労省

 厚生労働省は、8月1日から雇用保険の「基本手当日額」を変更した。雇用保険の基本手当は、労働者が離職した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動できるよう支給する。「基本手当日額」は、離職前の賃金を基に算出した1日当たりの支給額をいい、給付日数は離職理由や年齢などに応じて決められている。今回の変更は、2023年度の平均給与額が2022年度と比べて約1.7%上昇したこと及び最低賃金日額の適用に伴うもの。

 具体的な変更内容をみると、基本手当日額の最高額は、年齢ごとに、(1)60歳以上65歳未満は7294円から7420円(+126円)に、(2)45歳以上60歳未満は8490円から8635円(+145円)に、(3)30歳以上45歳未満は7715円から7845円(+130円)に、(4)30歳未満は、6945円から7065円(+120円)にそれぞれ引き上げられる。また、基本手当日額の最低額が2196円から2295円(+99円)に引き上げられる。

 基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額等については、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更しているが、これにより変更した最低額が、最低賃金日額(地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額)を下回る場合は、最低賃金日額を最低額とすることとされている。2024年8月1日以降の基本手当日額の最低額については、最低賃金日額に、基本手当の給付率80%を乗じて計算している。

 賃金日額と基本手当の日額の関係をみると、(1)基本手当(求職者給付)の1日当たりの支給額を基本手当の日額という。(2)基本手当の日額については、離職前6ヵ月間の平均賃金額を基に計算され、この離職前6ヵ月間における1日当たりの平均賃金額を賃金日額という。(3)基本手当の日額は、「賃金日額×給付率(80~50%)」で計算され、賃金水準が低いほど高い給付率となる。

 失業期間中に自己の労働による収入がある場合の基本手当の減額の算定に係る控除額は、8月1日以後、1331円から1354円に、また、高年齢雇用継続給付の算定に係る支給限度額も8月1日以後、37万452円から37万6750円に引き上げられる。支給対象月に支払われた賃金の額と高年齢雇用継続給付との合計額が支給限度額を超えるときは、(支給限度額)-(支給対象月に支払われた賃金の額)が高年齢雇用継続給付の支給額となる。

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https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/001281055.pdf