信用保証利用企業の資金繰りはやや改善~日本公庫

 日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に6月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4533社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2024年4~6月期実績ではマイナス幅が前期から3.0ポイント縮小の▲10.9と、中小企業の資金繰りはやや改善した。来期2024年7~9月期はマイナス幅が同5.9ポイント縮小の▲5.0とさらに改善する見通し。

 また、今期(4~6月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比1.8ポイント減の16.6%とやや減少。従業員規模別にみると、「0~20人」が同2.0ポイント減の15.0%、「21人以上」は同1.7ポイント減の25.0%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同2.3ポイント増の38.9%、「1千万円超5千万円以下」が同0.5ポイント増の44.0%、「5千万円超」は同3.5ポイント減の16.8%で、平均借入金額は4866万円だった。

 今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比1.2ポイント増の58.6%とやや増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同6.5ポイント増の50.5%と増加も、「一部利用」は同5.3ポイント減の8.1%と減少した。来期(7~9月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同1.9ポイント縮小の0.4とやや上昇してプラス超となった。

 一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比1.0ポイント縮小の▲3.7となった。来期は10.6ポイント縮小して6.9とプラス超が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同0.8ポイント縮小の▲12.1と横ばい、来期はマイナス幅が同11.3ポイント縮小の▲0.8の見通しとなっている。

 なお、信用保証協会による専門家派遣事業の認知度については、「知っている」が18.1%と低い。利用状況は、「利用あり」が4.3%、「今後利用したい」が21.2%。専門家派遣事業を利用した分野(3つまで回答)については、「販路開拓・取引拡大・集客力向上等」及び「経営改善計画の策定」が43.3%と最多。専門家派遣事業を利用したい分野(同)では、「資金繰りの改善・円滑化」(48.2%)が最も多かった。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/hosyouyouyaku221.pdf