課税資産の譲渡等に係る売掛金などが貸倒れとなったときには、課税標準額に対する消費税額からその貸倒れとなった金額に含まれる消費税額を控除する。ところが、この処理を行った売掛金などの一部または全部について、その後の課税期間において回収することがある。この場合には、回収した貸倒債権に含まれる消費税額を、回収した課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。なお、回収した貸倒債権の額は税込みの金額だ。
そこで、貸倒債権を回収した場合の処理について、一般用の申告書により申告する場合は、回収した貸倒債権の合計額に原則として110分の7.8(軽減税率の適用対象となった債権については、108分の6.24)を掛けて回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算し、その消費税額について1円未満の端数を切り捨てる。そして、その金額を該当する付表および一般用の申告書の第3欄「控除過大調整税額」に記載する。
また、簡易課税制度を適用して簡易用の申告書により申告する場合は、回収した貸倒債権の合計額に原則として110分の7.8(軽減税率の適用対象となった債権については、108分の6.24)を掛けて回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算し、その消費税額について1円未満の端数を切り捨てる。そして、その金額を該当する付表および簡易用の申告書の第3欄「貸倒回収に係る消費税額」に記載する。
したがって、簡易課税制度を適用している事業者は、課税標準額に対する消費税額にその回収した貸倒債権に含まれる消費税額を加算した金額にみなし仕入率を掛けて控除対象仕入税額を計算することになる。