中堅企業に近い中小企業は全国に7万7614社

 9月5日に施行された産業競争力強化法の一部改正で、「中堅企業」が定義された。政府が想定する中堅企業は約9000社だ。東京商工リサーチが発表した「中堅企業の候補企業調査」結果によると、独自基準で「中堅企業に近い中小企業」を中堅企業「候補企業」として抽出したところ、全国に7万7614社あることが分かった。中小企業基本法に準じて定義された中小企業102万5060社の7.5%を占める。

 産業別の候補企業数は、最多が「建設業」の2万5849社(構成比33.3%)。次いで、「卸売業」1万5655社(同20.1%)、「サービス業他」1万83社(同12.9%)の順で、上位3産業が1万社を超えた。一方、最少は「金融・保険業」の764社(同0.9%)。次いで、「農・林・漁・鉱業」が1246社(同1.6%)で2番目に少なかった。産業別の中小企業に占める候補企業率は、最高が「卸売業」の13.3%で唯一、1割を超えた。

 次いで、社数が2番目に少なかった「農・林・漁・鉱業」9.6%、最少の「金融・保険業」9.0%、最多の「建設業」8.5%の順で、4産業が全体平均(7.5%)を上回った。一方で、最低は「製造業」の4.9%で、「小売業」5.70%、「サービス業他」5.76%が続く。「卸売業」は、候補企業の選定基準とした基準増加率が23.5%で、全体の87.4%より63.9ポイント低く、中堅企業予備軍に該当した割合が他業種より高くなった。

 業歴別では、最多が「10年以上20年未満」の1万9105社(構成比24.6%)で、4社に1社を占めた。次いで、「20年以上30年未満」1万3659社(同17.6%)、「30年以上40年未満」1万937社(同14.0%)、「40年以上50年未満」8130社(同10.4%)、「50年以上60年未満」8124社(同10.4%)、「10年未満」6817社(同8.7%)、「60年以上70年未満」4288社(同5.5%)で続く。「100年以上」の老舗企業も1656社(同2.1%)あった。

 業歴「50年未満」は5万8648社(構成比75.5%)にのぼる。10年未満を除き、業歴10年以上20年未満をヤマにして、業歴が長くなるほど社数が少ない分布となっている。候補企業は、比較的に業歴が浅い企業が中心で、強みを持つ事業分野で生産性を高めた企業が、成長余地を残している特徴を浮き彫りにしている。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198886_1527.html