企業の生成AI活用は6割、未活用企業も5割が検討

 パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、20~60代の転職を検討しているビジネスパーソン500名と企業の中途採用担当者500名を対象に実施した「生成AI活用調査」結果によると、企業に対して、生成AIツールの活用の現状を確認したところ、全体の59.6%が活用していることが明らかになった。業種別では、上位から「IT・通信」(73.0%)、「金融」(70.7%)、「メーカー」(68.8%)と並んだ。

 また、現在生成AIツール未活用企業の今後の活用予定は、47.5%と半数近くの企業で活用を検討している。業種別でみると、特に1年以内の早急な活用開始を想定している業種は、「商社」(25.0%)、次いで「運輸・物流」(23.5%)と並んだ。「運輸・物流」は、残業規制の観点から業務効率化が急がれ、また、「商社」はデータを活用する業務が多く煩雑なトランザクションの効率化ニーズから活用を早急に進めたい背景が見受けられる。

 他方で個人が現在業務で生成AIを活用している割合は約2割(19.8%)にとどまった。一方で、業務を離れた転職活動での生成AI活用状況では約3.5割(34.8%)にのぼり、業務上での活用状況を超える結果に。活用内容としては、上位から「自己分析」(19.4%)、「自己PRの作成」(17.8%)、「職務経歴書の作成」(15.6%)と続いた。さらに、転職後の企業で生成AIツールを「活用してみたい」と考えている個人は、計54.0%と5割を超えた。

 続いて、転職先を検討する際に、生成AIツール活用企業としていない企業どちらのほうが良いと思うかでは、生成AIツールを「活用している企業のほうが良い・やや良い」の回答は計30.0%と、「活用していない企業のほうが良い・やや良い」の回答の計15.0%と比べ2倍の差があった。また、転職先として生成AIツールを活用している企業のイメージは、「技術革新に取り組んでいそう」(32.0%)という印象が最も高い。

 次いで「考え方に柔軟性がありそう」(31.6%)、「働き方改革が行われていそう」(29.2%)と続き、従業員のはたらき方に対処しているという好印象を与えている結果が分かった。様々な業界で人材難が叫ばれている現在、生成AIツールの活用は業務の効率改善が行えるだけでなく、個人により良い企業イメージを与える等ポジティブな影響を及ぼすことがうかがえる。

 転職活動で生成AIツールを活用して自己PRや職務経歴書を作成することの企業の印象は、「どのような活用方法であっても良い」(36.0%)、「活用した上で自身に合わせた調整を行うのであれば良い」(52.4%)と計約9割の企業がポジティブな印象を持っていることが確認された。

 同調査結果は

https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2024/20240827_1573